ヒツジ放牧で獣害対策 米原市で実証実験、気配で撃退、雑草も減少

サルやイノシシ、シカによる農作物への被害を防ごうと、米原市小泉でヒツジの放牧による獣害対策が始まった。10月まで実証実験の予定で、市農林振興課担当者は「ヒツジは雑草も食べてくれるため、一石二鳥。新たな獣害対策の切り札になれば」と期待を込める。

 同課によると、ヒツジの放牧は、その気配によって獣を寄せ付けないほか、草を食べて獣が身を潜める場所もなくす効果があるという。

 増え続ける獣害を防ごうと、ヒツジを使った獣害対策先進地の東近江市にアドバイスを受けながら事業を計画。8月上旬に県の畜産技術振興センター(日野町)から無償で借り受けた。

 杉林に隣接する約700平方メートルの田の外側を囲んだ2重の柵の中に現在、雌4頭が放されている。柵や小屋の材料費は市が負担し、ヒツジの管理は、地元自治会が担う。

 8月の暑さでヒツジは一時体調を崩したものの持ち直し、現在は食欲旺盛。田の周りの雑草をほぼ食べ尽くした。市担当者は「除草効果は抜群。イノシシの出る10月ごろに獣害への効果が分かってくるだろう」と話している。 (森若奈)

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