盧武鉉前大統領の墓地、国家保存墓地第1号に指定

8月5日17時1分配信 聯合ニュース

【ソウル5日聯合ニュース】故盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の遺骨が埋葬されている慶尚南道金海市進永邑の墓地とその周辺が、第1号となる「国家保存墓地」に指定された。
 保健福祉家族部は5日に開いた国家保存墓地審査委員会で、先月30日に盧前大統領の遺族が提出した国家保存墓地指定申請に対し、指定対象条件と基準の適合性などを審査した。その結果、元国家元首の墓地にふさわしく国家保存墓地に指定し、歴史的・文化的に保存する必要があると決定した。指定される面積は、畑や林野からなる3206平方メートルで、このうち墓の区域は11.48平方メートル。
 国家保存墓地は、2001年に「埋葬および墓地などに関する法律」が「葬事などに関する法律」に改正されたことに伴い、▼歴史的・文化的に保存価値がある墓▼愛国精神を育てる上で貢献した人物の墓▼国葬・国民葬・社会葬など国民の追悼対象となった人物の墓――のいずれかに該当する場合に限り国が指定できるようになった。今回がその第1号となる。
 これに指定されると、最長60年間と定められた墓地設置期間の制限に関係なく永久設置が可能で、墓地面積や施設物の種類・大きさなども規制されない。ただ、国が設置・運営する国立墓地とは異なり、保存・管理は遺族が行う。
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戦争体験記「孫たちへの証言」22年目 風化する記憶に危機感も 大阪

8月5日7時57分配信 産経新聞

 戦争体験者がその記憶をつづった「孫たちへの証言第22集」(新風書房)が今年も出版された。戦争の悲惨さ愚かさを伝える体験80編が掲載されている。一方で高齢化から風化する記憶への危機感もあり、同社では「これからも活字で残していきたい」としている。

 社長の福山琢磨さん(75)は「ひとつひとつの体験は、戦争の一場面で戦局を揺るがすようなものでないが、集めることで実像や悲惨さを浮き彫りにできる」と出版の目的を話す。22年目の今年は全国から909編の証言が寄せられ、その中から80編を掲載した。

 終戦時15歳だった大阪府豊中市の森嘉樹さん(79)は、ソ連軍の侵攻でチチハルから新京(長春)に逃れ1年近く難民生活を送った。栄養失調で次々と人が亡くなるが、厳寒期は土が凍り遺体を埋められず、仮の墓とした防空壕(ごう)は遺体でいっぱいになったという。

 北九州市の加藤昭さん(81)は昭和19年6月、小倉陸軍造兵廠で勤務中に米軍の空襲を受け、土砂で生き埋めになった。鼻血と土砂の重みで息ができず意識を失いかけたとき、うめき声を聞いた人たちに助け出された。この造兵廠だけで八十数人が犠牲になったといい、文末には「平和のありがたさを感謝し冥福を祈るこのごろです」と記されている。

 近年、体験者の高齢化で応募が減っていたが、今回は関東地方の新聞で活動が紹介されたことから一気に応募が増えたという。「戦後64年たっても、戦争の記憶を伝えたいと思っている方が多いことを改めて感じた」と福山さん。

 一方で、記憶の風化に危機感を募らせる。寄せられた文章にはあいまいな部分も多く、編集作業では、体験者に問い合わせ、できるだけ記憶を呼び起こしてもらい時期や地名を具体的に記述した。福山さんは「本には、体験者しか語れない戦争の現実が詰まっている。これからも、記憶を風化させないためにも活字で残したい」と話している。

 B6判1365円。問い合わせは新風書房(電)06・6768・4600。

宇都宮・16歳ひき逃げ死:発生1年 家族ら、墓前の逮捕報告心待ちに /栃木

8月4日12時1分配信 毎日新聞

 ◇「自首して罪償って」
 08年8月、宇都宮市大谷町の大谷街道で、同市宝木町2、無職、石川花菜さん(当時16歳)が車にはねられ死亡したひき逃げ事件は未解決のまま、3日で発生から1年を迎えた。「犯人に対する憎しみは変わらない。自首して罪を償ってほしい」と父親の豊さん(42)。家族は犯人逮捕を墓前に報告できる日を心待ちにしている。【松崎真理】
 08年8月3日午前4時35分ごろ、花菜さんは燃料切れとなった原付きバイクを囲んで友人3人と道路脇に座っていたところ、宇都宮市街方面から走ってきた車にはねられ、約2時間後に死亡した。
 その後の調べで、逃走車両はトヨタ製「クラウン マジェスタ」など高級国産車の可能性が高いことが判明。現場付近に落ちていた逃走車両のものとみられる塗膜片は、「パールホワイト」に再塗装されていた。しかし決め手となる遺留物に乏しく解決していない。
 今でも花菜さんの家を訪れる友人は後を絶たない。私立高3年、小貫春菜さん(17)はある冬の寒い日、自分も薄着なのに「これ着てていいよ」と、大きな青い上着を差し出してくれた花菜さんを思い出す。「とても優しい子。まだまだずっと一緒にいたかった」と声を詰まらせた。
 同市下荒針町の花菜さんのお墓の横には、「天国でも大好きだったバスケットボールで遊んでほしい」と、ボールを両手で持つ石の像が設置された。豊さんは「花菜が死んだとは思っていない。会いたい気持ちは日増しに強くなっていく」と話す。
 県警は約800世帯に聞き込み捜査、約2200台の車を捜査した。3日は現場近くの交差点で宇都宮中央署員らがドライバーに情報を求めるチラシを配布した。情報は同署(電話028・623・0110)へ。

落石計画:廃墟を芸術で復活させよう 小中生ら19人参加--根室 /北海道

8月3日12時1分配信 毎日新聞

 40年以上も雨ざらしで廃墟になっていた根室市郊外の旧「落石無線通信所」に、芸術で息を吹き込むアートプロジェクト「落石計画」が2日始まり、小中学生ら19人が、コンクリート製の内壁に作品を飾った。
 廃虚とはいえ、北太平洋を無着陸で横断した米国のリンドバーグの飛行機を誘導したり、終戦から2週間後に攻めて来たソ連軍の択捉島侵攻の無電を受信した歴史ある建造物。
 子供たちが、建物の周りに生え放題の雑草をクレヨンで写し取り、作品をぼろぼろのコンクリートの内壁に飾ると、ギャラリーや美術館に飾られるのとは違う趣に包まれた。【本間浩昭】

松山郊外の古民家で「逝き支度展」-「標」がテーマの作品展示 /愛媛

8月3日8時30分配信 みんなの経済新聞ネットワーク

 松山市近郊にある「牛渕ミュージアム別館」(東温市牛渕、TEL089-908-7347)は8月13日~16日と21日~23日、「逝き支度展-喪のつくり-」が行われる。(松山経済新聞)

 同イベントは、美術教師が管理する築130年の古民家で毎年お盆やお彼岸の時期に行われているもの。開催は今回で3回目。

 「亡くなって、葬儀を行って、お墓に入る。その形式的な死に対して、以前から疑問を抱いていた。死を見つめることで、自分の生き方が見えてくると考えており、そういった考え方を形にしたくて開催するようになった。生前から自分の死に対する考えを持っていたり、それを家族と共有したりすることで、自分の満足できる生き方できるよう、また、残された家族が快く送り出せるよう、アートの力を借りて、前向きな提案していければ」と主催者の小林紀子さん。

 作品は、県内を中心に活動している約40人の作家が、「標(しるべ)」をテーマに絵や陶器で作ったモニュメントなどを展示する予定。一部販売も行っており、作家にオーダーして、来場者が実際に最期を迎えるための準備を行うこともできるという。

 「愛媛は昔から遍路文化があり、死ぬことと生きることに対して向かい合う姿勢が根付いていると思う。多くの人に理解されることを願い、この取り組みを地方から広く発信していければ」(小林さん)。

 開催時間は10時~17時。問い合わせは小林さん(TEL 090-9559-0114)まで。

野外音楽堂に音無し 5年間利用ゼロ 台原森林公園

8月2日6時13分配信 河北新報

 仙台市青葉区の台原森林公園の野外音楽堂が、雑草が生い茂ったまま「見捨てられた」状態になっている。立ち見で最大2000人の観客を収容できる施設だが、過去5年の利用回数はゼロ。市民から忘れ去られたのか、年内の利用申し込みも1件もない状況だ。

 公園を管理する青葉区役所公園課によると、音楽堂は1980年、森林公園造成時に建設された。地形の傾斜を利用したすり鉢状の構造で、建設費は約2000万~3000万円と最小限に抑えたという。当初は「自然の中で音楽を楽しむ環境の整備」(公園課)を狙った。

 音楽堂が全く使われていない状況について、青葉区公園課は「90年代ごろから利用が減ってきた。今では存在自体、市民にあまり知られていないようだ。予約が入れば、いつでも草を刈る準備はある」と説明する。

 音楽堂は、約140平方メートルのコンクリート造りのステージと、扇形に広がる観客席、照明設備を完備する。利用料は手ごろで午前9時から午後5時まで、午前は600円、午後は1000円を区役所窓口で支払えば、誰でも利用できる。

 しかし現在、照明設備は故障したまま放置され、観客席の芝生は雑草がひざに達するほど伸び放題、クモの巣が張り、バッタが跳びはねているありさまだ。「音楽を楽しむ環境」とは程遠い荒廃ぶりだ。

 台原森林公園は地下鉄旭ケ丘駅と台原駅に隣接。音楽堂は台原駅から徒歩約20分、公園内の南側にある。

 市内には勾当台公園(青葉区)にも音楽堂があり、台原森林公園とは対照的に、週末は予約がいっぱいという。

 青葉区公園課は「利用を促すには屋根を備えたり、観客席にイス席を設置したりするなど整備が必要。だが、今の財政状況では娯楽文化施設に予算が回りにくい」と、新たな投資には慎重な姿勢だ。