秋の花粉症に注意、花粉飛散が長びく見込み

秋の花粉症対策、晴れた朝の土手や公園でのジョギングは避けるが無難

 エスエス製薬がまとめた2013年秋の花粉飛散に関する調査結果によると、今年の秋は花粉の飛散が長びく見込みという。鼻水やくしゃみなどの症状が出る人は、風邪だと簡単に自己判断せずにアレルギー検査を受けて予防策を講じることが重要だと、同調査は呼びかけている。 

 秋の花粉症は、春の花粉症を引き起こすスギやヒノキ花粉と異なり、道端や川沿いに生えているブタクサやヨモギなどキク科の雑草の花粉が原因とされている。通常は、8月頃から日本各地で飛び始め、9月中にピークを迎えて10月まで続くと言われている。 

 気象予報士の三ヶ尻知子氏に今年の秋花粉について尋ねたところ、今年は9月と10月も全国的に例年より気温が高く、降水量が多いことが見込まれ、高温多雨の影響により通常は9月にピークを迎えるはずのブタクサの花粉飛散が10月にずれ込む見通し。そのため、全体的に飛散期間が長期化することが予想される。 

 ブタクサは高さが30―150cmほどの植物で繁殖力・環境適応力が強く、 道路わきや公園、河川敷、あるいは都市のコンクリートの隙間まで日本全国に広く分布している。風に乗って数キロ―数百キロ先まで飛散するスギやヒノキ花粉と違い、ブタクサの花粉は数十―数百メートルほどしか飛ばない。また、太陽が昇り始める早朝から午前中にかけて多量に飛散する傾向にある。 

 これらのことから、特に晴れた日の午前中は、土手や公園などのジョギングやウォーキングは避けた方が良い。また、ブタクサが多い場所の通勤や通学、キャンプなどレジャーの際には、マスクや花粉症対策めがねをかけるといった予防策が必要だと、日本医科大学耳鼻咽喉科の大久保公裕教授はアドバイスしている。 

 さらに、残暑が厳しい年は、スギの花粉が季節を勘違いして秋に飛び始める事例も過去にあったことから、今年はブタクサに加えてスギ花粉が飛ぶ可能性もあると、三ヶ尻氏は指摘している。 

取材・文/鈴木 英子=ニューズフロント