興毅因縁対決制し2階級制覇/ボクシング

<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇29日◇さいたまスーパーアリーナ

 「亀田3兄弟」の長男亀田興毅(23=亀田)が、王者内藤大助(35=宮田)を3-0の判定で破り、新王者となった。序盤から軽快なフットワークで有効打を重ね、WBA世界ライトフライ級に続く、日本のジム所属選手7人目の2階級制覇を達成した。弟大毅(20)が前代未聞の反則を繰り返し、内藤に敗れてから2年。弟の雪辱を果たし、内藤との因縁に区切りをつけた。プロデビュー以来初の日本人との対決を制した興毅の戦績は22勝(14KO)。

 12回終了を告げるゴングを聞いた興毅が、一直線にコーナーへと走りだした。勝利を確信してポストによじ登ると、次男大毅と三男和毅が駆け寄ってきた。ジャッジ2人が6ポイント差をつける判定で撃破したことが確定すると、リングにうつぶせに倒れ、マットをたたいて泣いた。「いや、もう、今は言葉がないです」。「因縁」の相手を倒しての2階級制覇は、格別だった。

 「宿命」の対決だった。07年10月、内藤の初防衛戦で弟大毅が挑戦した。投げなど度重なる反則行為で大差の判定負け。デビュー12戦全勝で世界王者になるなど順風満帆だった興毅も、内藤と大毅の世界戦を境に人生が一変した。大毅のセコンドを務めていたためJBCから厳重戒告処分、当時所属した協栄ジムからは3カ月の試合自粛処分を受けた。世間からの激しいバッシングも浴びた。08年夏には亀田家でジムを設立したが、試合がなかなか決まらない日々が続いた。

 そんな中で迎えた08年秋、興毅が1度だけ、禁を破った。苦しい日々に、心が折れそうになった。「筋肉がつぶれるから」と飲酒をしない興毅が、カラオケをしながらカクテルや酎ハイを約15杯、流し込んだという。だが気持ちはまったく晴れなかった。「うまくなかったな」。酔いながら、ふと昔の自分が頭に浮かんだ。「『もともと雑草で大阪から来たんや。まだ22歳。しゃーない』って思えたんや」。周囲の目を気にせず、一家で世界王者を目指していた大阪時代。そのころの、がむしゃらさを思い出した。「おれにはボクシングしかないんや」。そこから、再出発の日々が始まった。

 だからこそ、倒すのではなく、勝ちに行った。「3回KO」を予告していたが、実際は足を使ったアウトボクシングで内藤を翻弄(ほんろう)した。2回には鼻から出血させるなど、的確にパンチを当て続けた。8回終了時で3人のジャッジが興毅を支持。「KOしたかったな。でも、勝つのが一番やったから。集中して余計なこと考えんようにしてた」。大毅の敵討ちをしての2階級制覇達成のため、亀田家復活のため、興毅の心はぶれなかった。「1カ月前は大毅の敵を取らなあかんと思ってたけど、直前は『勝ちたい』気持ちだけやった」。自分の距離を守り、内藤の猛攻をかわしきった。

 試合後の会見。因縁には決着がついたかと聞かれると、興毅は「きわどい判定じゃないしな」と笑顔で“終結”を宣言。「王者にはありがとうございますって言いたい。目上の人やしな」と敬意を表した。次戦は内藤が2年前に勝った同級暫定王者のポンサクレック(タイ)と対戦の可能性がある。「内藤選手ともう1回? やらんよ。もっと先にいかなあかんから。1つの通過点」と、目標とする3階級制覇に目を向けた。会見の最後、興毅は「今日は甘いものをいっぱい食べます! スイーツの食べ歩きでもしようかなあ」と、きれいな顔をくしゃくしゃにして笑った。前回の世界戦から1075日。2本目のベルトを手にし、すべてから解放された興毅がようやく、心の底から笑った。【浜本卓也】

化学肥料頼らぬ マメ科植物研究

愛知教育大(刈谷市)の菅沼教生(のり・お)教授(52)=植物生理学=を中心とする研究グループによる、マメ科植物の窒素取り込みに関する研究論文が、26日付の英国の世界的な科学誌ネイチャーに掲載される。菅沼教授は「この研究で化学肥料を使わずに作物を大きく育てられるようになり、食糧増産や環境保全に役立つ可能性がある」とみている。教育系大学の同大の教員の研究が同誌に掲載された例は、確認できる過去約20年はないといい、同大関係者を喜ばせている。(岡本真幸)

 ネイチャーに今回掲載された論文のテーマは「根粒菌の共生窒素固定に必須な宿主マメ科植物遺伝子の発見と機能解明」。責任者の菅沼教授ら同大を含む7研究機関の研究者19人が参加する共同研究に基づいて執筆された。
 菅沼教授によると、マメ科植物は、共生するバクテリアの根粒菌を通じて空気中から取り入れる窒素を利用して育つことができる。大豆にもその能力があるが、農産物として十分な大きさに育てるために化学的に合成した窒素肥料を使っているという。
 ただ、化学肥料を作るのに石油エネルギーを用いることがエネルギー消費による地球温暖化、畑にまいた肥料が土に残って川や海に流れることが赤潮などの海洋汚染の原因になっているという。
 そこで、化学肥料を使わずに大きく育てて収量を上げるため、今回の研究では、根粒菌による窒素取り入れのメカニズムを遺伝子レベルで解明することをめざした。マメ科で日本在来種の雑草ミヤコグサを使い、正常な野生種を科学的に処理して作った根粒があるが窒素を取り入れる能力を失った変異体で、共生している根粒菌のどの遺伝子が窒素の取り入れにかかわっているかを調べ、その遺伝子と能力を特定した。
 この研究を発展させることで、将来的にはイネなどの植物にも応用でき、日本の食糧生産にも貢献する可能性があるという。菅沼教授は「窒素取り入れ能力を他の植物に持たせるには、現時点では遺伝子組み換えの方法しかない。今回の研究成果は、他の植物への応用の基礎になる」と話している。

荻野川両岸花の散歩道

厚木市及川の荻野川に架かる「上使橋(じょうつかいばし)」の一帯で、両岸約400メートルにわたって約3000株の食用菊が咲き誇っている。以前は雑草や雑木が生い茂っていたが、近くに住む萩原保さん(67)が7年がかりで刈り取り、ヒガンバナやキクを植えて整備した。一帯は今では「花の散歩道」になり、川へのゴミ投棄も激減。住民たちは、たった一人で水辺を生まれ変わらせた萩原さんのパワーに驚き、感謝している。

 萩原さんは1998年に食肉店の経営から引退した後、自宅前の川を眺めるうちに「何とかきれいにできないか」と考えるようになった。当時は、歩道から川面にかけてカヤやタケなどが生い茂り、川沿いの歩道は通れない場所もあった。川に自転車が不法投棄されるなど、一帯の荒廃ぶりは地域の悩みの種だった。

 萩原さんが毎日、カマを手に草刈りに出かけるようになったのは2002年頃。3年がかりで雑草や雑木を取り払った後、今度は「多くの人が散歩に来てくれるような場所にしよう」という新たな目標を立てた。

 川を管理する県や、両岸の歩道を管理する厚木市に出向き、「背の低い花なら植えてもよい」との承諾を得て、自宅の畑で育てたヒガンバナや食用菊の移植に取りかかった。

 「最初は不審がられたり、家族にも『また行くの』と嫌がられたりした」が、作業で約20足の靴を履きつぶした昨年頃から、一帯は見違えるように美しくなった。今年秋には、最初にヒガンバナ、11月初めからは菊が開花。口コミで評判を聞いた市民らが訪れるようになった。

 今年3月には、自発的に集まった約20人の住民が「荻野川を自然の花で飾る会」を結成。月1回、会員たちが萩原さんの作業を手伝っている。

 近くに住む天利保代さん(68)は「とても一人でできることではなく、住民みんなが感謝している。多くの人にキクの花を見にきてもらい、萩原さんの努力を知ってほしい」と話す。

 萩原さんは「秋の花だけでなく、これからはシバザクラなども植え、1年を通じた花の道にしたい」と、今も毎日、花の手入れに取り組んでいる。

(2009年11月25日 読売新聞)

信者と共同生活/傷害容疑者西郷の拠点

 ●近所づきあい希薄

 白河署が18日、傷害容疑で逮捕した住所不定、祈祷(き・とう)師神宮寺英勝容疑者(62)は、宗教活動をしていて「お上人様」と呼ばれていた。西郷村役場のすぐそばの2階建てアパートで、信者らと共同生活をしていたが、住民とのかかわりは希薄だったという。アパートの部屋で、どんな活動が行われていたのか。

 同署の調べでは、神宮寺容疑者は今年1月、日本刀のようなもので信者だった50歳代の女性に切りつけてけがをさせた疑いがある。女性は所有する西郷村のアパートを宗教団体の活動拠点として提供した上、2千万円以上の資産をつぎ込んでいたという。女性が昨年12月、交通事故を起こし、罰金が支払えなくなった際、同容疑者に金を借りようとしたことから事件が起きたと同署はみている。

 同署は暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕した信者の住所不定、無職小野直美容疑者(36)と岩手県奥州市の男子高校生(18)についても、神宮寺容疑者が指示をしていたかどうか慎重に調べている。

 同署によると、宗教団体には数十人の信者がおり、そのほとんどが女性だった。県内や群馬県などに計4カ所の拠点があったという。

 付近の住民によると、アパートの前では小、中学生くらいの子どもが遊んでいるのをよく見かけたという。神宮寺容疑者らしい男が時々姿を見せ、女性5、6人が整列して出迎えていたという。近くの主婦(28)は「宗教団体と聞かされ、かかわらない方がいいと言われた。回覧板も回していなかった」と話す。

 住民からは、アパートの裏の土地で雑草が伸び放題になっている、との苦情が持ち上がり、役場にも寄せられていた。一方、役場の担当者も「宗教団体絡みといううわさを聞いており、トラブルになると困ると思った」と話している。

脱穀体験:横浜の小学生100人、江戸農具で 育てた餅米使用 /神奈川

横浜市立獅子ケ谷小(関森治夫校長、鶴見区)の5年生約100人が19日、近くの「みその公園」で、自分たちが育てた餅米を江戸時代の複製農具を使って脱穀した。

 5年生は4月に公園内の田に苗を植え、夏は雑草を取り、10月に稲刈り。まず指導の農業、横溝市三さん(71)が「台風が多く、あまり出来はよくないが、一粒一粒を大事にする気持ちで作業して」と呼びかけた。

 江戸時代に使われた脱穀機の複製と昭和初めの足踏み式の2種類を使い、児童らは稲束を持ち作業に追われた。複製機はくしのような鉄棒の間に稲束を入れ、引き抜く素朴な方法。児童らはもみが取れるたびに歓声をあげ、昔の農民の苦労を体験した。簡隆太君(10)は「脱穀は初めて。12月に感謝祭で餅をつき、みんなで食べる」と楽しそうだった。【網谷利一郎】

悲しい…おいしい…命実感 育てたアイガモ 遠賀高生が調理 卵から世話、研究集大成

遠賀町の遠賀高校グリーンサイエンス科3年生が19日、課題研究として取り組んだアイガモ農法の集大成として、育ててきたアイガモを自分たちの手でしめて、食べる体験学習を行った。生徒は、悲しみとおいしさを味わい、命のありがたさを実感した。

 アイガモ農法研究班は8人。今年4月、同町の有機農家・筋田靖之さん(56)の指導の下で課題研究をスタート。アイガモの卵をかえし、ひなには1匹ずつ砂糖水を与えて育て、泳ぎの練習もさせた。6月から稲刈り直前まで田んぼで雑草など食べさせ、夏休みの間も欠かさず毎朝夕、エサをやって世話をした。

 筋田さんは「アイガモ農法はアイガモを食べて終わる」と、この農法の意義を説明。いざ食べる時期になると、抵抗もあったが、それぞれが命や食について考え、受け入れた。この日、生徒たちは一様に複雑な表情。時には涙ぐむ場面もあったが、自分たちの手でアイガモの命を絶ち、解体し、調理もこなした。

 アイガモはたたき、焼き鳥、団子汁にし、無農薬で作ったご飯とともに食卓に。全員で「いただきます」と手を合わせ、ほおばると「おいしい」と、笑顔が浮かんだ。

 河野真希さん(17)は「食べればおいしいが、アイガモの命を絶ったときの悲しい気持ちは忘れない。普段の食事の背景にあるものを知ることができた」と話した。

=2009/11/20付 西日本新聞朝刊=

雑草燃え、JR東海道線などに影響/横浜

18日午後10時5分ごろ、横浜市栄区飯島町の東海道線沿線近くの雑草で、「火災が発生した」と119番通報がJR東日本の職員からあった。

 JR東日本東京支社によると、この影響で現場近くの戸塚―大船間を運行していた東海道線貨物線が約15分間停車し、後続の東海道線などにも影響したという。

岡崎狙う!4発で代表歴代最多ゴール

 【香港16日=益子浩一】日本代表のFW岡崎慎司(23=清水)が、真のエースに上り詰める。この日、日本代表は年内最後の試合となる18日のアジア杯予選香港戦に向け香港入りし、現地で初調整を行った。今年の国際Aマッチ15戦14発の岡崎は、あと4点で97年にFWカズ(現横浜FC)が達成した歴代最多18ゴールに到達する。大量得点が見込める格下香港戦で、金字塔を打ち立てる。

 日本代表は南アフリカから19時間かけて香港入り。すぐに現地で初練習に臨んだ。試合会場の香港スタジアムに隣接するソン・コン・ポ練習場は、芝生ではなく葉雑草が茂っているだけ。ところどころ粘土質の土がむき出しになっている劣悪なピッチに岡崎は「これ芝生じゃないやん」。それでも2日後に迫った香港戦へ調整のペースを上げていった。

 カズの年間最多得点まで、4点あるが、10月には香港、トーゴ戦と2戦連続でハットトリックを達成した。大量得点が見込める格下香港なら現実味がある。「(南ア戦は)攻め急いだ反省がある。いろいろな攻撃のバリエーションを試しながら、点を取って勝って日本に帰りたいです」と岡崎。09年をゴールラッシュで締めくくり、W杯イヤーの10年へとつなげる。

公害苦情10年で最多 目立つ自然系 08年度の県内

県と市町が2008年度に受け付けた公害に関する苦情は1814件で、過去10年間で最も多かったことが16日の県公害審査会で報告された。前年度に比べ179件増えており、大気汚染(543件)、廃棄物投棄(277件)の増加などが全体を押し上げた。発生源別に見ると、雑草などで荒れた空き地の放置など「自然系」の苦情が増えているのが特徴だという。

 県環境森林部によると、苦情が最も多いのは典型7公害の一つの大気汚染(543件)。7公害では悪臭(228件)、騒音(176件)の順で多かった。7公害以外では廃棄物投棄(277件)が多く、ほかにも動物の死骸放置や害虫発生などがある。

 発生源別では、条例で禁止されている「野焼き」が488件と最も多く、次いで「自然系」292件、廃棄物遺棄239件の順。自然系は前年度より約80件も増えている。

 同部は「詳しい分析はしていない。ただ近所付き合いを考え土地所有者などに直接言えず、行政に相談するケースが増えているのでは」とする。ほかに空き地・空き家の増加も原因にあるようだ。

 公害紛争処理機関となる同審査会は同日、会長改選を行い、弁護士の直井勇氏を選出した。

ダニエル・ラドクリフの大麻吸引写真をすっぱ抜く?デイリー・ミラー紙にファン騒然!

[シネマトゥデイ映画ニュース] イギリスのデイリー・ミラー紙は、ダニエル・ラドクリフがパーティーでたばこのようなものをくわえて、目をトロンとさせている写真を「パーティーで大麻を吸っている写真」として掲載、ファンが騒然となっている。

 デイリー・ミラー紙によると、その写真は大麻入りのタバコを吸ってぼうっとしているダニエル・ラドクリフだという。

 それはロンドンで開催されたハウスパーティーでのこと。招待客の一人である26歳のワディアという女性は、「ダニエルは、すごくフレンドリーだった。僕は雑草が好きと言って、持っていたタバコのようなものに火をつけたの。なんだかすごく笑っていたわ。映画のイメージとはだいぶ違っていたわね」と語ったという。

 確かにその写真はダニエルではあるが、それがタバコであるか大麻であるかは本人とそばにいた人間にしかわからないだろう。「ハリー・ポッター」の小説はフィナーレを迎えたが映画は、まだ最終章を控えている。子どものファンも大勢いる『ハリー・ポッター』の世界をマスコミにしても、ダニエル本人にしても夢を壊さないようにしてもらいたい。