根性タラノキぐんぐん

境町長井戸のおおぞら保育園で、電柱とコンクリート地面のすき間から芽を出したタラノキがぐんぐん成長している=写真=。

 同保育園は2003年4月、現在の場所に新築された。職員出入り口脇の電柱の周囲は、しばらくしてコンクリートで固められたが、すき間に芽が残っていたらしい。最初は雑草にしか見えなかったが、約1年後には30センチぐらいに成長。その後もコンクリートを押し分けてすくすくと育ち、現在は高さ約150センチ、太さ約5センチに。幹には立派なトゲが生えている。

 島根孝男園長(57)は、毎朝木の前で立ち止まり、「今日も一日無事によろしくお願いします」と願いを込める。同園には約100人の園児が通うが、インフルエンザ感染者は一人もいないという。

阿南、住民の手で公園整備 市財政難で有志50人結束

阿南市那賀川町の大京原地区の住民でつくる大京原自治協議会(104世帯)の有志約50人が、雑草で荒れ放題になっていた地域の公園を自らの手で整備した。市の財政難から後回しにされる中、工事を住民が担当して費用を3分の1程度に減らし、事業を進めるユニークな試みとなった。

 整備したのは、地区にある▽中央(1513平方メートル)▽中央向かい(332平方メートル)▽北(507平方メートル)▽南(258平方メートル)-の4公園。いずれもベンチが隠れるほど雑草が生い茂り、協議会が市にコンクリートを張るなどの整備を要請。しかし多額の費用が必要で市が難色を示したため、協議会の役員が「住民で公園を何とかしよう」と有志を募った。

 7月から毎週1回、有志10人ほどが出て雑草を取り除き、ごみ拾いも実施。建設業者もいたことから重機も使いながらコンクリートを張ったり、砂利を敷き詰めたりした。

 かかった費用は約150万円で、このうちコンクリート代55万円を市、重機の油代など残りを協議会が負担した。市や協議会によると「業者に発注した場合、人件費を含めて400万~500万円はかかる」という。

 整備に合わせて協議会が中央公園隣に防災用具の収納倉庫も設置。協議会の松山忠治会長(53)は「荒れた場所が、地域のコミュニティーや子どもの遊び場所として生まれ変わった。住民の力で地域がよくなることがアピールできたと思う」と話している。

佐賀城跡の石垣すっきり 九州電力が清掃奉仕

九州電力佐賀支店と佐賀営業所は27日、佐賀市の佐賀城本丸歴史館周辺の石垣を清掃した。高所作業車を使うなど、丁寧に雑草やつるを刈り取った。
 作業着にヘルメット姿の約50人の職員は、石垣にはしごを立てかけるなど、生い茂った草などをかまで刈った。石の間の小さなすき間の草もむしり取り、約1時間半をかけて、景観をすっきりとさせた。

 佐賀城本丸歴史館の藤田秀政主幹は「自分たちでは手の届かない所まで手入れしてもらって助かります」と感謝していた。

 清掃活動は、10月の「九電『お客さまありがとうございます』キャンペーン」に合わせて実施。今年で12回目を迎えた。

雑草8歳シェイディ、悲願の1冠へここ1本…天皇賞・秋

張りのある筋肉に、光沢を帯びた栗毛の馬体。8歳になったエアシェイディは、衰えるどころか、ますます充実している印象を受ける。全休日明けの火曜日。北馬場のCダートコースを素軽い脚さばきで流す姿は、活力に満ちあふれていた。

 ベテラン勢の活躍が勇気を与えてくれる。世代交代の激しい世界で、前哨戦の毎日王冠は、8歳のカンパニーがウオッカを破って優勝した。「カンパニーはウチの馬と同い年。個体差もあるけど、年をとったから厳しいとは言っていられない」と中鉢助手は前向きにとらえている。

 年齢を重ねて、幼い癖が抜けてきた。以前はゲートに入る前に必ず小便をしてリラックスする儀式があったが、「8歳にもなれば、さすがに緊張しなくなった」と中鉢助手。年齢にふさわしい精神状態を維持できるようになったのは大きい。

 今年こそタイトル奪取の思いは強い。3月の中山記念(5着)後は、ここを目標に定めて日程を調整してきた。「今年は天皇賞が大目標。牧場ではしっかり休養をとって、全然乗っていなかったけど、夏は調子が良ければどこか使うという予定だった」と中鉢助手。新潟記念は4着に敗れたが、あくまで“叩き台”としての意味合いが強かった。

 昨年は、ウオッカとダイワスカーレットが演出したレコード決着に0秒1差の5着。すさまじいゴール前の攻防に参加していた。「昨年はあれだけの時計で走ったことに感動した。生涯最高の出来だった。あれが100なら今回は80ぐらいだけど、東京の2000メートルは合っている。前走より気合が乗っているし、いい状態で臨めるのは間違いない」と中鉢助手。照準をここ一本に絞ってきた老兵が、生涯最高の輝きを放つ瞬間が来るかも知れない。

上智大学キャンパス内の雑木林を里山林として復活させようと、市などが保全整備活動/秦野

秦野市上大槻の上智大学秦野キャンパス内にあり荒廃化が進んでいた雑木林(7ヘクタール)を里山林として復活させようという保全整備活動を市と大学、里山保全団体が協働で行っている。枝打ち、間伐などの活動は昨年から3回実施。同市は、市街地近くにあるだけに、きれいな里山として残したいとしている。

 同市などによると、同キャンパス内の雑木林では、かつてタバコ栽培が行われていた当時は農家が堆肥(たいひ)用に落ち葉を集めたり、燃料用の薪を取ったりしていた。しかし、1967年に学校用地として整備が開始されて以後は、農家らが入ることもなく放置されてきた。クヌギやコナラなどは大きく成長、雑木林内は昼でも薄暗く、ササや雑草、雑木が茂り歩けないほどになっていた。

 市街地に近いことから里山林として保全することを市が提案。昨年9月、今年8月、今月24日の3回、整備活動を行っている。24日には、大学関係者や学生、市職員など約35人が参加。なた、のこぎりなどで枝打ち、間伐を行った。同時にシイタケ栽培用のホダ木にする雑木の伐採も行い、来年2月にはシイタケ菌を植え付けることにしている。

 同市森林づくり課によると、これまでの活動で約2ヘクタールの整備が進められた。地下水の保全など昔ながらの里山に戻したいとしている。

舳倉島の「西の池」雨水しみ出し形成 北國新聞社調査団が見方強める

北國新聞社の舳倉島・七ツ島自然環境調査団の藤則雄団長(金大・金沢学院大名誉教授)は25日、舳倉島北西岸の「西の池」周辺の地形や地質を調査し、同池が島の段丘に降った雨水のしみ出しで形成されているとの見方を強めた。西の池では豊富な種類の昆虫が確認されており、藤団長は「池の環境を守るには段丘上の植生や土壌などへの幅広い目配りが必要だ」と話している。
 西の池は、島北西岸の中央部にある「龍神池」の西約60メートル、標高約6メートルの地点に位置する。長さ約10メートル、幅約3メートルの小さな池で、水深は10~60センチ程度。

 周辺地形を観察した結果、藤団長は、同池が島の表面を覆う三つの海岸段丘層のうち、2番目に高い、約8万年前に海底に積もった「中位段丘」の斜面の下に位置することを確認。池よりも斜面に近い地点には湿地が広がっていることからも、藤団長は「段丘にしみ込んだ雨水が周縁部で地表にしみ出て、岩盤の上で池を形成したのだろう」と結論づけた。

 同様に、西の池より標高が約1メートル高い龍神池は、9~10万年前に堆積(たいせき)した高さ約10~12メートルの「高位段丘」のへりにあり、同段丘に降り注いだ雨水のしみ出しによって成り立っていることがほぼ確かめられた。

 西の池で水生昆虫の採集を行った昆虫班の富沢章班長(石川県ふれあい昆虫館長)によると、同池は龍神池の約10分の1の広さながら生息する昆虫の個体数が多く、今回の調査では、龍神池では確認されていない「マルミズムシ」も採取できた。

 「水生昆虫の生息を知るには、西の池が舳倉島で一番大事な池」と富沢班長は話しており、夏場、島内の池にヤブ蚊対策で油が散布された際にも、同池を除外対象にするよう要請したという。

 同池の貴重な自然環境を守るに当たって藤団長は、水面の直接的な保護のほかに、池の水の供給源である段丘の環境保全が最も重要だと指摘する。

 藤団長は「小さな島の狭い段丘面に、たとえば雑草駆除の農薬が大量に散布された場合、池の生態系は一気に崩れ去ってしまう可能性が大きい」と話し、環境の変化を映すバロメーターとして池の水質、生息動物の調査を続ける必要性を強調した。

 23日に舳倉島入りした調査団は25日、調査を終えて島を後にした。全6班合同での調査は今回が最後となる。輪島へ向かう船上で藤団長は、昨年5月に初調査を実施して以来の団員の労をねぎらい、年度末の成果まとめに向けて、最後の一踏ん張りを求めた。

米、除草剤の安全性見直しへ 日本も使用、胎児への影響懸念

【ワシントン共同】米環境保護局(EPA)は23日までに、日本でも使われている除草剤のアトラジンについて、安全性の再評価をすることを決めた。

 体内に取り込まれた場合、微量でも胎児に低体重や先天異常を起こす可能性が最近の研究で指摘されていることが主な理由で、専門家の意見を聞き、来年にも規制強化が必要かどうか判断する。

 アトラジンは米中西部を中心にトウモロコシ畑の雑草除去などに利用される米国で最もよく使われている農薬の一つ。AP通信によると、アトラジンは雨によって土壌から流出し、飲み水に利用されている河川に流れ込むケースがあることが最近分かった。

 中西部150カ所を対象にしたEPAの飲み水調査では、直ちに人の健康に影響を与える量は検出されなかったが、微量でも胎児に影響を及ぼす恐れがあるとの研究報告があることから、安全性を見直すことにした。

 発がん性や、水に溶け込んだ場合のカエルの奇形発生の恐れなど環境への影響も再評価する。

 アトラジンは雄のラットの生殖器官の重量低下など、生物のホルモンの働きを乱す内分泌かく乱作用があることが指摘され、欧州で禁止の動きが広がった。米国でもブッシュ前政権下の2003年に安全性の見直しが行われたが、使用継続が許可されたという。

メードらが米を刈り取りー秋葉原菜園で「アキバ米 収穫の儀」

 NPO法人「秋葉原で社会貢献を行う市民の会リコリタ(以下リコリタ)」は10月20日、日本農業新聞本社(台東区秋葉原2)5階屋上の「秋葉原菜園」で「アキバ米 収穫の儀」を行った。

 同NPO法人は今年6月、秋葉原に本社を置く日本農業新聞と神田で都市農業を行うNPO法人「大江戸野菜研究会」らと連携し秋葉原で農作物を作る「秋葉原菜園」計画をスタート。日本農業新聞から、地域社会貢献を進めるNPOへの活動支援の一環で、同社屋上を「秋葉原菜園」第1号として提供を受け米を育成してきた。併せて、「めいど美容室 お~ぶ」「メイド美容室 モエシャン」「JAM akihabara」「ミスティヘヴン」「ロイヤルミルク」「シャッツキステ」などメード系店舗協力の下、これらの店舗でもメードスタッフらによる米の栽培が行われてきた。

 10月になり育成してきた「日本晴」米がバケツ50個中26個が実ったことから今回、同収穫の儀を実施。企画参加メード店メードスタッフ10人弱が参加し、実った米をはさみで刈り取り、稲干しを披露した。

 収穫に際し、同NPO法人代表の真田さんは「私たちは普通の社会人の集まりのため、当初は毎日の水やりに不安があったが、ローテーションを組んで出社前などに水あげを行い育成。今日の収穫祭を心待ちにここまできた」と話す。「企画スタート当初、さまざまなメード系店舗に声をかけ、『できるかわからないけどやってみたい!』と手を挙げてくれた今回の参加メード店の皆さんに感謝したい」とも。

 ロイヤルミルクのエリザベスさんは「育成開始時はお屋敷(店内)で育てていたため、ご主人さま(来店客)から『これは、雑草?』など冗談を言われたりしたが(笑)、苗たちに名前をつけて愛情いっぱいに育てた。育成場所を屋上に移した後から、すくすく育ってくれた。お米が実ってうれしい」と満足げな表情を見せた。

 同NPOは10月31日、東京フードシアター5+1(秋葉原UDX4階)で収穫した稲を脱穀・もみすり・精米し、オムライスにして食べるワークショップの開催を予定している。

障害ある人に焦点 「きらっと」光る番組だ

<テレビウォッチ> NHK教育の「きらっといきる」。障害がある中、健気に生きる人たちの活動をレポートする番組だ。

見た回は、統合失調症の神戸の男性(38)に焦点をあてていた。彼は人と会ったり話したりするのが苦手だ。以前会社勤めをしていたころ、女性に相手にされなかったことなどから他人が怖くなってしまった。ストレスで体が動かなくなることもある。

今は施設で働き、手作り弁当をつくって年配の人たちに宅配している。週5日働いて3万円といっていた。最近では宅配先の80歳のじいさんと仲良くなってきた。弁当にパック酒を添えることになっている。宅配を続けるうち、コミュニケーションが取れるようになった。元気が出てきたようで、今では雑草取りなども10分100円とかで請け負っている。まだ独身だが、パートナーを探したいな、とも話していた。

こうした映像の後、スタジオで小林紀子アナと、ラジオDJをやってるらしい山本シュウ、自身も障害がある自立生活センター職員の男性の3人がやりとりする。

テレビが何かとバッシングを受ける時代だが、弱者に注目し弱者に訴える番組をつくることは、素晴らしいと思う。人が苦手なことを克服しようと挑戦する姿を伝えるのは、大変意義がある。今回の神戸の男性も、とても目がキラキラしていた。大阪放送局がつくっており、教育テレビでもあるし、視聴率をどうこうというものではないのだろうが、なかなかどうして番組自体も番組名のように「きらっと」している。たまにはこういう番組を見るのもいいと思うよ。こうした番組があると、テレビはまだまだ大丈夫だと思える。

出会い系サイト 1200以上が表示違反の疑い

パソコンや携帯電話で利用する出会い系サイトのうち、1200以上のサイトが、業者名や所在地などの表示を義務づけた特定商取引法(表示義務)に違反する疑いがあることが朝日新聞の調べでわかった。出会い系は全部で約2300サイトを確認しており、約半数のサイトに違法の疑いがあることになる。

 出会い系サイトは、特定商取引法で「通信販売」に分類され、運営業者には、契約前に(1)業者名(2)所在地(3)代表者(4)電話番号(5)料金体系――の表示が義務づけられている。

 朝日新聞記者が、パソコンや携帯電話のインターネット上で出会い系サイトを調べたところ、8月末現在で計2299サイトを確認。実際にアクセスして契約に至る手続きの間に、約半数にあたる計1288サイトで(1)~(5)のいずれかの表示違反が見つかり、一切表示していないサイトも308あった。

 違反が最も多かったのは「所在地」で、表示されていなかったり、虚偽の疑いがあったりしたサイトが832あった。「代表者名」にはカタカナや姓のみの表記も。表示全体にモザイクをかけたサイトも見られた。

 少なくとも四つの出会い系サイト運営会社が所在地としていた千葉県市原市の場所は、雑草が生い茂る山間部で、トタン屋根の古い小屋があるだけだった。空き缶や雑誌、ネコのふんが散乱する小屋で寝泊まりしていた土木作業員の男性(46)は「電話もパソコンもない。こんなゴミ屋敷が会社じゃないのはひと目で分かるだろう」。サイトに記された電話番号にかけると、「ここはカスタマーセンター。委託なので詳しくは分からない」と返ってきた。
別のサイト運営会社が所在地としていた東京都新宿区のJR四ツ谷駅近くの場所は、幹線道路から一歩奥まった住宅地にある寺と墓地だった。寺の関係者は「出会い系サイトなんて聞いたこともない」と驚く。ほかに「新宿区青葉」という存在しない住所や、踏切わきの工事現場、振り込め詐欺の現金送付先として悪用され警察庁から公表された住所を所在地としている業者もあった。

 都内で、客を装った「サクラ」を多数使って複数の出会い系サイトを運営している会社社長は「本当の所在地や電話番号を記せば、苦情が殺到して大変だ。後ろめたい業者はみな同じことを考えるはずだ」と打ち明ける。この会社が運営するサイトは、以前使っていた事務所を所在地として表示しているが、今は無関係な会社が入居し、電話も常時留守電にしているという。

 監督官庁の消費者庁取引・物価対策課は「業者名や所在地は契約上極めて重要な情報で、表示されなければ重大な問題だ。表示違反は違法であり、当庁と関係法人でパトロールを続ける」と話す。(宮崎勇作、後藤太輔)