阿南市那賀川町の大京原地区の住民でつくる大京原自治協議会(104世帯)の有志約50人が、雑草で荒れ放題になっていた地域の公園を自らの手で整備した。市の財政難から後回しにされる中、工事を住民が担当して費用を3分の1程度に減らし、事業を進めるユニークな試みとなった。
整備したのは、地区にある▽中央(1513平方メートル)▽中央向かい(332平方メートル)▽北(507平方メートル)▽南(258平方メートル)-の4公園。いずれもベンチが隠れるほど雑草が生い茂り、協議会が市にコンクリートを張るなどの整備を要請。しかし多額の費用が必要で市が難色を示したため、協議会の役員が「住民で公園を何とかしよう」と有志を募った。
7月から毎週1回、有志10人ほどが出て雑草を取り除き、ごみ拾いも実施。建設業者もいたことから重機も使いながらコンクリートを張ったり、砂利を敷き詰めたりした。
かかった費用は約150万円で、このうちコンクリート代55万円を市、重機の油代など残りを協議会が負担した。市や協議会によると「業者に発注した場合、人件費を含めて400万~500万円はかかる」という。
整備に合わせて協議会が中央公園隣に防災用具の収納倉庫も設置。協議会の松山忠治会長(53)は「荒れた場所が、地域のコミュニティーや子どもの遊び場所として生まれ変わった。住民の力で地域がよくなることがアピールできたと思う」と話している。