遊説録:雑草の志大事に--民主党・仙谷由人官房長官

(24日)

 昨年の政権交代まで問題だったのは、ボンボンの2世や世襲が何の理由もなく長く議員を務めた。いい家のお生まれであるというだけで政治の真ん中に座り、日本の国家の経営、政府の運営をダメにしてきた。そのことを国民の多くが感じとって新しい政権を作っていただいた。菅直人政権は雑草のように現場で生きる者の志、気持ちを最も大事にしながら国家を経営する。(東京都新宿区での街頭演説で)

「マンテマ」除草、鳥取砂丘で格闘…韓国ドラマロケ控え

鳥取砂丘に、ヨーロッパ原産の帰化植物「マンテマ」がはびこり、鳥取県は26日、ボランティアを募って緊急の除草作業を行った。県内では人気韓国ドラマ「アイリス」の続編「アテナ 戦争の女神」のロケが8月末に始まる予定で、砂丘はその有力な候補地。「一面の美しい砂地でロケを実現させたい」と、約70人が群落と格闘した。

 マンテマは、江戸時代に観賞用に持ち込まれ、全国の海岸や空き地に自生地が広がった。砂丘では数年前から小さな群落ができ始めていたが、今年は中央の大斜面「馬の背」の南西側約2000平方メートルにわたって一気に広がった。

 参加者は馬の背周辺に散らばり、高さ30センチほどに伸びたマンテマを株ごと引き抜いていった。県関西本部職員、渡辺比呂志さん(45)は「今年は世界ジオパーク認定に向けた現地調査もある。美しい景観を守り、世界から注目を集めるようにしたい」。

砂丘では、河川改修などの影響で海からの砂の供給が減り、1970年代から雑草が生い茂るように。96年から毎年7~9月に除草作業が行われており、2004年からは市民ボランティアも参加。県砂丘事務所によると、マンテマは、ほかの雑草より早く6月下旬頃に1株あたり約5万個の種を落とすため、一気に広がったらしい。

 今年の通常のボランティア除草は7月23日~9月5日、毎週金~日曜日に行われる。問い合わせは県砂丘事務所(0857・22・0583)。

(2010年6月27日 読売新聞)

ソフトB山田、パ初育成出身勝利投手

「ソフトバンク6‐1日本ハム」(24日、ヤフド)

 188センチの長身がいつも以上に大きく見えた。ソフトバンクの山田は八回まで4安打無失点。九回に1点を許し交代したため完投は逃したがプロ初勝利でパ・リーグ初の育成出身投手勝利をマークした。

 6連敗中というチームの危機を救った。「とりあえずホッとしています。きょうは絶対に負けを止めようと思った」。自分の初白星よりも連敗ストップ。いつも以上に強い気持ちを持って投げた。

 秋山監督は「山田は本当にいいピッチングだった。これを自信にして、次も同じ投球ができるようにね」と孝行息子の初白星を喜んだ。

 王会長からは“鷹のカネやんになれ”とゲキを飛ばされている。背番号34。400勝投手・金田正一氏と姿がだぶる大型左腕だ。3月に支配下選手登録、2軍では5勝を挙げ1軍に抜てきされた。田中(楽天)、斎藤(早大)らと同世代の4年目。“雑草魂”ではい上がってきた。

 「ファームで頑張っている人がたくさんいる。そういう人たちの力になれば」。“育成の星”が魅せた快投は秋山ソフトバンク再浮上のきっかけだけではなく、2軍で汗を流す若手選手にも大きな励みになる。

木の実、流木独創アート

ごみ処分場問題など環境破壊に警鐘を鳴らしてきた絵本作家田島(たしま)征三さん(70)が手すきの和紙に彩色し、木の実や自然の素材で制作した作品12点などの展示会が7月4日まで、三鷹市下連雀4のぎゃらりー由芽(ゆめ)で開かれている。「生きていた記憶を持つ物質が人の心に強い印象を与えるのでは」と考える田島さんの独特の作品世界が広がっている。

 スペイン・バルセロナのミカ美術館の庭で拾った木の実でつくった「手ばなしたプラン」、石垣島の雑草の花をコラージュした「みんなで歌っているよ」、モクレンのつぼみの殻による「失(な)くした手紙 破った手紙」――作品につけられた題名にイメージが膨らむ。

 ドングリの実の下部を覆う「ハカマ」や、エゴ、ユリノキ、タイサンボクといった木の実のほか、流木も活用。未成熟の木の実をすぐ干して柿渋につけてカビや虫を防ぎ、ニカワで張り付けたという。

 田島さんは、多摩美術大学卒業後、1960年代後半から「ちからたろう」で世界絵本原画展金のりんご賞、「とべバッタ」で絵本にっぽん賞を受賞するなど人気作家として活躍。90年代、自給自足を目指してヤギやチャボを飼い畑を耕す生活をしていた日の出町でゴミ処分場建設反対運動にも参加。森の中で見つけた木の実などを素材とした制作に取り組み始めた。

 たまたま検査で見つかった胃がんで大手術をした後の98年4月、30年近く住んだ日の出町から伊豆に療養を兼ねて移住。がんの克服については、「近くに群生するコゴミを毎日食べていたので免疫力が高まったと思っている」と笑う。

 今年2月、ドイツで聴いたモダンジャズコンサートで今回の作品群の着想を得た、という。一方、田島さんの4畳半もの大作でコナラのハカマを使った「地上の星座」、モクレンの実による「自爆する男」は、パリの市立美術館で来年1月まで展示されている。

 「由芽」とは、闘病中の98年9月に個展を開催して以来の縁が続く。田島さんの新作絵本「かまきりのカマーくんといなごのオヤツちゃん」(大日本図書)なども展示販売。正午~午後7時(木曜休)。問い合わせは由芽((電)0422・47・5241)。

(2010年6月23日 読売新聞)

駅舎や地域へ清掃奉仕 朝桜中生ら、ことしも活動

 東近江市の朝桜中学校福祉会と地域住民による恒例のボランティア活動「地域・駅舎清掃」が蒲生地区一帯であり、生徒ら300人が参加した。

 17年ほど前に地域の玄関口、近江鉄道・桜川駅の悪質な落書きとごみの散乱に心を痛めた生徒有志が落書きをペンキで塗り直し、ごみを拾い集めたのがきっかけで活動は始まり年2回、6月と12月に実施している。

 福祉会と運動部、吹奏楽部の生徒、住民らが午前8時から同駅をはじめ学校周辺の公園、河川敷など10カ所ほどでごみ拾いや雑草の処理に汗を流した。昨年あった駅舎周辺の落書きは今回はなく、生徒をほっとさせた。

 福祉会長の若宮悠希君は「みんなで作業をすると駅舎周辺がどんどんきれいになり、うれしい。伝統ある活動はすごいと思うし、これからも続けていきたい」と話していた。

 (前嶋英則)

色とりどりに堤防のアジサイ…徳島・園瀬川道路沿いの670メートル

徳島市八万町の園瀬川堤防道路沿いでアジサイが見頃になり、ドライバーの目を楽しませている=写真=。

 住民ボランティアグループ「園瀬川の清流を守る会」が、雑草に覆われていた堤防を整備し、2000年頃に苗木を植えて育てた。今では1600株ほどになり、道路沿い約670メートルにわたって薄いピンク、紫、水色の花々を咲かせている。同会は「今年は特にきれいなので見に来て」と勧めている。

 友人と見に来た同市中吉野町の主婦、青木リツ子さん(62)は「今年はきれいなので初めて車から降りて見に来た。いろんな色があってきれい」といい、カメラを向けていた。

(2010年6月21日 読売新聞)

「土手ニラ」料理 腕を競う

江戸時代、八東川の度重なるはんらんに心を痛めた松田勘右衛門(別名・東村勘右衛門、1699~1740)が石組みの土手を築き、飢饉(き・きん)に備えて植えたとされるニラ「勘右衛門土手ニラ」を使った料理コンテストが、八頭町であった。参加者は腕によりをかけて、思い思いのニラ料理をこしらえた。

 約600メートルの土手が残る東地区の住民らが2007年に作った町おこしグループ「勘右衛門土手ニラ保存会」(21人)と町が初めて企画した。参加者は市販品より香りが強い野生のニラで調理。審査員7人が応募作5点を食べ比べ、伯耆町の長谷川正さんの「ニラホルモンの卵とじ」が最優秀賞に選ばれた。

 保存会の小畑一範代表は「ニラの栽培は雑草との闘い。草取りを続けてニラを増やし、勘右衛門土手を約270年前の姿に戻したい」と話していた。(中田和宏)

農政に翻弄され不信/戸別所得補償

水を張った水田に田植え機が行き来し、次々に苗の緑で埋まっていった。伊勢原市三ノ宮の塩川克博さん(59)は15代続く農家だ。

 「米はぜんぜんもうからないよ」。あぜ道の雑草を取り払いながら、そうつぶやく。今年度始まった農業者への「戸別所得補償モデル対策」は、すでに申し込み済みだ。

 モデル対策は、事業に参加する米農家を対象に、10アール当たり1万5千円が交付される。県農政課は県内の対象農家を約8千戸ほどと見込む。申請期間は4~6月末。農林水産省のまとめでは、5月末時点の県内の申請者は235件にとどまっている。

 戸別補償制度によって得るお金は米の出来や価格などにもよるが、塩川さんは交付金の金額を、ほぼ定額部分だけの数万円になりそうだと予想する。「数万円でももらえれば機械の燃料代の足しになって、そりゃあうれしい」。そう話す一方で、「全国一律でばらまくのはどうか。票稼ぎの政策だ」とも言う。

 塩川さんが高校生だったころ、家の水田は100アールあった。それが今では生産調整などの影響で40アールに。この規模では稲刈り機など数百万単位の機械を導入するのは割に合わない。友人に10アールあたり3~4万円を払って作業をしてもらっている。肥料や機械の燃料代を差し引くと米での収支はとんとんだという。

 収入の9割はブドウや梨などの果物。東京や横浜など大消費地に近く、果物類は宅配の注文や直売所で品切れになるほど人気だ。

 首都圏に位置する神奈川は耕作面積は少ないが、気候が安定していて果物でも野菜でも、多様な作物を栽培できる強みもある。塩川さんの周辺の農家も米専門の農家はほとんどおらず、単価の高い果物などを作って暮らしている。東北地方の大規模稲作農家とは経営形態が違う。それでも米作りをやめないのは「米は農家の基本」という自負だ。

 1・5ヘクタールの水田で米作りをしている別の農家の男性(49)は「時の農政に翻弄(ほんろう)されてきた」と嘆く。昔から自民党を応援しているが、「米が余った時には『米作りを休め』。冷害の時には生産調整のたがを外した」と指摘。民主党についても「農政は今も場当たり的で、所得補償はその最たるもの。財源は大丈夫か。来年も制度を続けられるのかどうか」と疑念を抱く。

 2人の農家は政治を見限ったわけではない。塩川さんは「口蹄疫(こうていえき)の被害が出た宮崎県の酪農家のことを思うと、自分のことのようにつらい。私たちじゃなく、本当に困っている人のところにお金を回す仕組みが必要だ」と訴える。また、男性は「農業を継ごうとする若者の背中を押すような政策を」と注文をつける。

(須田世紀)

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 昨年の政権交代によって、仕事や暮らしにかかわる多くの政策が変わった。農業、医療、子育て、公共事業――。県内の現場では、変化をどう受け止め、何が課題となっているのか。各地から報告する。

◇キーワード・・・ 戸別所得補償制度

 農家の経営安定を目的に、米など基幹農産物の市場価格が経費を下回った場合、赤字部分を政府が補償する制度。昨夏の衆院選で民主党が掲げたマニフェストの目玉の一つで2011年度から本格実施の予定。今年4月からは米農家を対象に「モデル対策」がスタート。10アールあたり1万5千円が助成される「米戸別所得補償モデル事業」と、麦や大豆、飼料用米など転作作物ごとに定額助成する「水田利活用自給力向上事業」の二つで構成する。

雑草掘り起こし高性能な除草機

 田んぼの草取りにかける手間を省力化しようと、美里町の農機具販売店「赤羽農機」と涌谷町の農家がタイアップし、安価で高性能な除草機を開発した=写真=。

 農薬の使用を減らす環境保全米を栽培するには、除草が大きな課題だ。そこで、開発した除草機には、中古の乗用田植え機の後ろに太鼓状のローターと2本のワイヤを取り付けた。走行の勢いでローターが回り、列の間(条間)の雑草を根こそぎ掘り起こし、苗と苗の間(株間)はワイヤで草を取り除く。土をかき回すことで酸素が供給され、稲が強く根を張る効果もあるという。販売価格は、市販の乗用除草機の半額以下の1台89万円。

(2010年6月16日 読売新聞)

【10年前のきょう】南北首脳会談 実質論議は先送り

□6月14日=1面、国際面、社会面

 朝鮮半島の分断史上初の南北首脳会談が平壌で始まった。韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記による初会談。南北間の問題解決を図る必要性を確認し、ホットライン設置の必要性で一致した。金総書記は「歴史に堂々と記録される日」と語ったが、雑談的な対話に終始。北朝鮮の朝鮮中央テレビは「首脳会談」とはせず「宿舎で談話を交わした」と報じた。