鳥取砂丘に、ヨーロッパ原産の帰化植物「マンテマ」がはびこり、鳥取県は26日、ボランティアを募って緊急の除草作業を行った。県内では人気韓国ドラマ「アイリス」の続編「アテナ 戦争の女神」のロケが8月末に始まる予定で、砂丘はその有力な候補地。「一面の美しい砂地でロケを実現させたい」と、約70人が群落と格闘した。
マンテマは、江戸時代に観賞用に持ち込まれ、全国の海岸や空き地に自生地が広がった。砂丘では数年前から小さな群落ができ始めていたが、今年は中央の大斜面「馬の背」の南西側約2000平方メートルにわたって一気に広がった。
参加者は馬の背周辺に散らばり、高さ30センチほどに伸びたマンテマを株ごと引き抜いていった。県関西本部職員、渡辺比呂志さん(45)は「今年は世界ジオパーク認定に向けた現地調査もある。美しい景観を守り、世界から注目を集めるようにしたい」。
砂丘では、河川改修などの影響で海からの砂の供給が減り、1970年代から雑草が生い茂るように。96年から毎年7~9月に除草作業が行われており、2004年からは市民ボランティアも参加。県砂丘事務所によると、マンテマは、ほかの雑草より早く6月下旬頃に1株あたり約5万個の種を落とすため、一気に広がったらしい。
今年の通常のボランティア除草は7月23日~9月5日、毎週金~日曜日に行われる。問い合わせは県砂丘事務所(0857・22・0583)。
(2010年6月27日 読売新聞)