<テレビウォッチ> NHK教育の「きらっといきる」。障害がある中、健気に生きる人たちの活動をレポートする番組だ。
見た回は、統合失調症の神戸の男性(38)に焦点をあてていた。彼は人と会ったり話したりするのが苦手だ。以前会社勤めをしていたころ、女性に相手にされなかったことなどから他人が怖くなってしまった。ストレスで体が動かなくなることもある。
今は施設で働き、手作り弁当をつくって年配の人たちに宅配している。週5日働いて3万円といっていた。最近では宅配先の80歳のじいさんと仲良くなってきた。弁当にパック酒を添えることになっている。宅配を続けるうち、コミュニケーションが取れるようになった。元気が出てきたようで、今では雑草取りなども10分100円とかで請け負っている。まだ独身だが、パートナーを探したいな、とも話していた。
こうした映像の後、スタジオで小林紀子アナと、ラジオDJをやってるらしい山本シュウ、自身も障害がある自立生活センター職員の男性の3人がやりとりする。
テレビが何かとバッシングを受ける時代だが、弱者に注目し弱者に訴える番組をつくることは、素晴らしいと思う。人が苦手なことを克服しようと挑戦する姿を伝えるのは、大変意義がある。今回の神戸の男性も、とても目がキラキラしていた。大阪放送局がつくっており、教育テレビでもあるし、視聴率をどうこうというものではないのだろうが、なかなかどうして番組自体も番組名のように「きらっと」している。たまにはこういう番組を見るのもいいと思うよ。こうした番組があると、テレビはまだまだ大丈夫だと思える。