信者と共同生活/傷害容疑者西郷の拠点

 ●近所づきあい希薄

 白河署が18日、傷害容疑で逮捕した住所不定、祈祷(き・とう)師神宮寺英勝容疑者(62)は、宗教活動をしていて「お上人様」と呼ばれていた。西郷村役場のすぐそばの2階建てアパートで、信者らと共同生活をしていたが、住民とのかかわりは希薄だったという。アパートの部屋で、どんな活動が行われていたのか。

 同署の調べでは、神宮寺容疑者は今年1月、日本刀のようなもので信者だった50歳代の女性に切りつけてけがをさせた疑いがある。女性は所有する西郷村のアパートを宗教団体の活動拠点として提供した上、2千万円以上の資産をつぎ込んでいたという。女性が昨年12月、交通事故を起こし、罰金が支払えなくなった際、同容疑者に金を借りようとしたことから事件が起きたと同署はみている。

 同署は暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕した信者の住所不定、無職小野直美容疑者(36)と岩手県奥州市の男子高校生(18)についても、神宮寺容疑者が指示をしていたかどうか慎重に調べている。

 同署によると、宗教団体には数十人の信者がおり、そのほとんどが女性だった。県内や群馬県などに計4カ所の拠点があったという。

 付近の住民によると、アパートの前では小、中学生くらいの子どもが遊んでいるのをよく見かけたという。神宮寺容疑者らしい男が時々姿を見せ、女性5、6人が整列して出迎えていたという。近くの主婦(28)は「宗教団体と聞かされ、かかわらない方がいいと言われた。回覧板も回していなかった」と話す。

 住民からは、アパートの裏の土地で雑草が伸び放題になっている、との苦情が持ち上がり、役場にも寄せられていた。一方、役場の担当者も「宗教団体絡みといううわさを聞いており、トラブルになると困ると思った」と話している。

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