4カ月ほど前、地元では名が知れた女性同盟顧問の訃報に衝撃を受けた。
以前、支部統合の説明会で「私たちの家(支部)は、絶対失くしてはならない!」と涙ながらに訴えた、あのハルモニだ。
威厳あふれたハルモニの様相は、愛国事業への献身的な半生を現わしているようで、私の脳裏にくっきりと焼きついた。
県内最小のわが支部は6年前、隣接支部に吸収合併され、ひとつの分会として存続することになった。その2年後には、市の区画整理により建物さえも取り壊されることになり、名も建物も失う寂しさに、トンポたちは意気消沈していた。更地になった支部の跡地は、雑草で覆われとても痛々しく映った。
かつては若いオンマたちが子連れで集い、ハンメたちが歌や編み物を習い、朝青の若者たちの威勢のいい声が響き…と、地域同胞の憩いの場であったはずの地。
支部の最後を惜しんで開かれた大宴会には、古びた建物に数々の珍しい顔ぶれが勢ぞろいし、「埼玉西南支部」の看板を取り囲んで回想にふけった。そして、支部の大家族が一堂に会し記念写真に納まった。
それから数年後の昨年末、ようやくトンポたちの念願が叶い、元の地に分会事務所が再建される目途が立つことになった。心の中で今は亡き一世たちへ報告する。
「ハルモニ、新しい家が建ちます。ハルモニたちが守って来られたトンポの家です」
ハルモニたちから引き継いだこの「家」を大切に守っていきたいとの決心で、私の胸はいっぱいだ。(梁清美、主婦)