北國新聞社 8月9日(金)15時15分配信
金沢工大や金沢美大、石川高専の学生でつくる「まちづくり支援隊」は今年度、金沢市長町地区で取り組む景観保全の活動範囲を広げる。従来の高齢者宅の庭の維持や管理に加え、新たに落書きのある土塀の修繕や市管理の緑地の清掃に乗り出す。メンバーは「北陸新幹線の開業を控えており、武家屋敷跡に代表される歴史的街並みを維持し、誘客につなげたい」と意気込んでいる。
まちづくり支援隊によると、落書きされたり傷んだりした土塀は市が修繕するが、軽微な傷みまではなかなか手が回らない。緑地は市が年に数回清掃するものの、すぐに雑草が生え、景観を損ねてきた。
このため、住民だけでは負担になる修繕や清掃をボランティアで支援することにした。今後、土塀の修繕がどの程度まで手伝うことができるかなど市と協議して活動を進める。活動の際は住民にも参加を呼び掛け、住民の地域への愛着にもつなげる。
支援隊は学生約30人で構成する。昨年から高齢者の個人宅が多い長町地区で、庭の下草刈りや曲水周辺のごみ拾い、庭木の剪定(せんてい)などを実施。今年も依頼のあった高齢者宅2カ所で清掃活動を行う予定だ。
支援隊代表の宮里宜雅さん=金沢工大大学院修士2年=は「将来的に住民自身が景観の維持、管理に取り組むきっかけにするため、多くの住民に呼び掛けて活動を展開したい」と話している。
北國新聞社