広経大:バリ島に野球広めよう インドネシア支援、球場整備や道具寄付 /広島

10月30日18時1分配信 毎日新聞

 インドネシアのバリ島で、広島経済大学(安佐南区)が、球場を整備してボールやバットを寄付するなど、野球の普及に取り組んでいる。バリ島では、野球人口が少なく、道具も練習場所も不足している。今年8月、学生7人がバリ島を訪れ、グラウンドの整地作業などをした。広経大は「野球が普及していない地域にも、プレーする楽しさを知ってもらいたい」と支援を続けていく。【大沢瑞季】
 バリ島では、高校の授業に野球を取り入れ始めたが、道具などが不足しているという。バリ島在住で広島出身の小笠原淳子さん(67)がこの状況を知り、広島の大学や高校などに支援を呼びかけたのがきっかけ。これに広経大が応じた。広陵高校(同区)も野球道具を寄付している。
 首都ジャカルタで野球は普及しているが、バリ島では「野球のやの字も知らない人が多い」という。高校を卒業した人たちがチームを作ったが、バットは人数分もなく、グラブはぼろぼろ。練習場は雑草が生えた多目的グラウンドで、イレギュラーが当たり前だった。
 小笠原さんは「道具は輸入品しかなく、高い。貧しい子は野球ができない」と話す。
 広経大は運動具メーカーに呼びかけ、グラブやバット、ボールを寄付してもらい、インドネシアに届けた。今年8月に、多目的グラウンドの半分を球場にしようと、雑草を抜いたり、ブルドーザーで整地作業をした。来年以降、フェンスやネットなどを整備する予定だ。学生で中心役の経済学部4年、今村圭太さん(21)は「自分たちの活動が、インドネシアに野球を広める第一歩になってほしい」と期待する。
 広経大野球部の岡田英幸部長(48)は、現地の野球チーム約20人にキャッチボールや素振り、ノックなどを指導した。大学生中心のチームだったが、技術は日本の小学校高学年レベルだった。「純粋に野球を楽しみ、上手になろうと一生懸命な姿を見て、何事にも代え難い喜びだった。自分自身も原点に戻れた」と話した。

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