緑花モデルに周南「須々万おやじの会」

周南市須々万の沼城小に通う児童の父親らによる「須々万おやじの会」(伊藤正一会長)が、山口放送環境美化財団の緑花活動モデル地区指定団体に選ばれ、1日、指定書が交付された。長年にわたって国道沿いで花壇を整備するなどの活動が認められたという。

 同財団は1976年に設立され、緑化活動や河川愛護に取り組んでいる団体などに助成金を贈り続けている。今年は同会と岩国市の「通津地区自然と環境を守る会」が選ばれた。

 須々万農村改善センターで行われた同会への指定書交付式では、財団理事長の赤尾嘉文・同放送会長が指定書を手渡し、「数々の活動に心から敬服し、感謝している」とねぎらった。

 同会は、99年以降、雑草などで荒れ果てていた国道沿いの空き地にチューリップやコスモスなどを植え、沿道を走る車の運転手らの目を楽しませてきた。さらに、学校などでのボランティア活動にも積極的に参加し、地域の安全を守ってきた。

 伊藤会長は「結成して19年がたち、大変うれしい評価を受けた。今まで以上に活動を充実させていきたい」と話していた。

(2010年3月2日 読売新聞)

聖子団長ゲキ「死ぬ気で頑張れ」!パシュート金へあと2勝…Sスケート

◆スピードスケート(26日・五輪オーバル) 「トラ・トラ・トラ」で金メダルだ。団体追い抜き(パシュート)1回戦で、W杯ランク3位の日本女子は同6位の韓国に圧勝。28日の準決勝で同9位のポーランドを下せば、続く決勝進出と銀メダル以上が確定する。穂積雅子(23)、田畑真紀(35)=ともにダイチ=、小平奈緒(23)=相沢病院=の「寅(とら)年生まれの年女トリオ」に、橋本聖子団長は「死ぬ気で戦え」とゲキを飛ばした。男子は米国に敗れ、7、8位決定戦に回った。

 穂積、田畑、小平の3人は、ラスト50メートルを流す余裕だった。それでも韓国に4秒56もの差をつける圧勝。穂積は「最後は脚を使わずゴールできた」と笑顔を見せた。

 寄せ集めだったトリノ五輪時と違い、綿密に戦略を練ってきた。担当の羽田雅樹コーチ(48)と結城匡啓コーチ(44)は、短距離の小平、中距離の田畑、長距離の穂積の特性を所属の垣根を越えて生かすことを検討。昨夏から3人を中心に練習し、滑走順などを決めてきた。五輪直前に15歳の高木という新戦力も加わったが、個人種目の不振で“スタメン”落ち。馬力と持久力のある穂積を最初の半周、中盤、ラスト1周半を先頭で引っ張る役回りに起用し、スピードの小平を挟んで五輪4回の経験値を持つ田畑を司令塔に配置して最強布陣が完成した。田畑だけ一回り年上だが3人とも寅年生まれで、小平は「みんなのフィーリングが合うし、同じ空気を感じている」と話す。

 今大会、穂積は3000メートル6位、5000メートル7位とW入賞。小平は1000メートル、1500メートルでともに5位に入った。田畑は1500メートル19位ながらトリノ五輪のこの種目4位の雪辱に燃える。

 準決勝で勝てば銀メダル以上が確定する。追い風も吹いた。W杯ランク1位の地元カナダや2位のロシアが敗退。4強では日本が最上位ランクとなった。観戦した橋本団長は「(選手に)前に死ぬ気で頑張れと言ったんですが、死ぬ気で試合して死んだ人はいない」と過激なハッパをかけた。

 トリノ五輪は準決勝で転倒し、メダルを逃した。「トリノでなくした物をみんな拾いたいと思っている」と羽田コーチ。金メダルならこの競技の日本女子初となり、日本勢通算10個目。トラ娘トリオが、虎の威を借りずに実力で表彰台のてっぺんを狙う。

 ◆橋本団長の死ぬ気めも 橋本団長は88年カルガリー五輪で500、1000、1500、3000、5000メートルの全5レースすべてで日本新を出し入賞。最後のレースとなった5000メートル(6位)ではゴール後、力尽きて前のめりに倒れ、自力で立ち上がれずスタッフに抱え起こされて立つのがやっと。当時の監督が「貧血状態で両腕はひじから先が氷のように冷たくなっていた」と証言するほど死力を尽くした。

 ◆金メダルへの道 日本が準決勝で対戦するポーランドは、今大会は個人種目で入賞者が一人もいない雑草集団。トリノ五輪銅のロシアを破る大番狂わせを起こしたが、順当なら十分勝てる相手だ。決勝の対戦チームは、前回金のドイツが予想される。3000メートル、5000メートルで銀2個獲得のベッカート、ソルトレークシティー大会1500メートル金の古参・フリージンガーら総合力は今大会で一番。ポーランドに負けた場合、米国との3位決定戦が予想されるが、まず負ける相手ではない。