タイムカプセル:「100年後」へメッセージ 日田の祇園の森で埋設式 /大分

6月29日14時1分配信 毎日新聞

 日田市伏木の「祇園の森」で28日、タイムカプセル埋設式があった。日田祇園山鉾(やまぼこ)の車輪に使うアカマツの大木が入手困難なため、「100年後」の用材化を目指して苗木の植樹が終了。日田祇園祭に寄せる市民の熱い思いを「100年後」の市民に伝える試み。
 ステンレス製のタイムカプセル(35×35×25センチ)には、佐藤陽一市長と後藤稔夫・日田祇園山鉾振興会長のメッセージ、日田祇園祭(08年)のDVD、日田祇園囃子のCD、第10回ホノルルフェスティバル(04年)参加記念冊子などのほか、市民の暮らしや世相を伝える資料を入れた。
 祇園祭の主役である山鉾9基の車輪(1基につき4個、直径70~80センチ)は運行のたびに磨耗し、寿命は5~6年。手を尽くして直径1メートル以上の大木を探し回るが、虫害などのため九州ではまず入手できないのが現状。
 埋設式で後藤会長は「06年に島根県で入手し、池で保管しているが、あと十数個分しかない。100年後の皆さん、このアカマツを利用し、伝統の祇園祭を後世に伝えて」とあいさつし、石松雅彰副市長とともに地下2メートルの穴にカプセルを埋めた。最後に、関係者約30人が生い茂った苗木の周りの雑草を除去した。【楢原義則】

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