6月29日12時2分配信 毎日新聞
初夏の鳴瀬川で希少な花々の群生が見つかり、黄色や青紫のさわやかな色合いが彩りを添えている。
美里町南郷の堤防では、シソ科の多年生草「ウツボグサ」の自生群落が青紫の花を咲かせた。花の高さは約5センチで、群落の規模は学校の25メートルプールほど。丘陵地の草原に多く生息し、低地で群生するのは珍しいという。
対岸の大崎市松山の川原には、丈の低いマメ科の多年生草の「ミヤコグサ」の黄色いじゅうたん。双方をカメラに収めた地元の元高校生物教諭、河野真人さん(61)は「外来の雑草に負けずに在来種が群落を形成しているのはうれしい」と話す。見ごろは7月中旬ごろまで続くという。
また美里町小牛田のの川岸では、高さ5メートルほどに育った樹齢約30年の自生桑が黒く熟れた実をたくさん付けた。生糸産業が衰退し、桑の木は珍しくなった。昔を思い出してほんのり甘い実を味わう人もいる。【小原博人】