フキで不景気フキ飛ばせ 京都府が特産化めざし研修会

7月2日15時0分配信 両丹日日新聞

 鳥獣害に遭わず軽量、軽労働のため高齢者でも扱える山ブキ。新たな特産にと、府中丹広域振興局が普及に力を入れている。需要が高く有望作物だが、雑草に負けてしまうのが産地化のネック。そこで1日に福知山市夜久野町内で、省力栽培の研修会が開かれた。

 中丹地方の栽培農家は現在100戸ほど。福知山市内では三和、夜久野地域が多くて、計約50戸。昨年度は中丹全域で23トンの出荷があり、販売額は1370万円だった。食の安全志向から国産のフキ需要が高まり、増産の好機。手間がかからず、担い手不足で高齢化が進む当地に適していて、中丹西農業改良普及センターは「耕作放棄地を無くすためにも有効」だとしている。

 一方で生産拡大にブレーキをかけている要因もある。生育初期には雑草の繁殖が盛んになり、フキが雑草に覆われて生育不良がおき、場合によっては雑草ばかりになってフキが無くなってしまう。そこで雑草を抑えるため黒いビニールを土にかぶせるマルチ栽培や、全国初の土壌消毒を試したところ、大きな成果が出た。

 省力栽培研修会の会場は、マルチ栽培などを実証した夜久野町畑(下夜久野)、畑営農組合の農地。参加者約100人がバスで訪れて見学した。

 水田だった農地3・5アールに昨年10月、薬剤散布や畝立てなどを5人が2時間の作業で行い、黒マルチを設置して、11月にフキを移植。今年3月の収穫期を迎え、農地の周囲には雑草が茂っていたが、フキを植えた穴や畝間に雑草は無く、効果が確認できた。

 一行は現地を視察した後、額田の市夜久野ふれあいプラザへ移動して普及センターの職員から実際の作業方法などを聴き、雑草を抑えるためにも水はけの良い農地を選ぶことや、水はけが悪い場合は畝を高くすることなどポイントを学び、導入の参考にした。

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