研修生、アイガモ農法に興味津々 千葉

7月3日7時57分配信 産経新聞

 アフリカ諸国の研修生10人が、農薬や化学肥料を使わない安全な水稲栽培について知識を深めようと、千葉県山武市富田幸谷の「川島自然農園」を訪れ、アイガモを使ったユニークな農法を視察した。200羽以上のアイガモが水田を泳ぎ回って雑草を食べたり、イネの害虫を捕食する様子に、研修生たちは興味を示した。

 視察したのはマダガスカルやエチオピア、ケニアなど8カ国からの研修生で、国際協力機構筑波国際センター(JICA筑波、茨城県つくば市)で農業振興に関する技術指導などを受けている。研修生らは6月下旬に、川島自然農園を訪問した。

 経営者の川島俊夫さん(55)によると、同農園では平成5年からアイガモ農法を取り入れ、現在は約3ヘクタールの水田に約210羽を放っている。アイガモは、除草や害虫駆除を行うだけでなく、フンが肥料として役立ち、水かきによって水田内に酸素が送り込まれるなど水稲栽培に欠かせない作業をこなしてくれる。イネ自体をアイガモが食い荒らすことはないという。

 アフリカ諸国からの研修生は、アイガモのしぐさを熱心にビデオカメラで撮影。特に研修生たちは、農薬や肥料を一切使わない農法に注目した。

 視察したブルンジの研修生は「アイガモとイネを一緒に育てる技術は興味深かった。環境を守る農法なのでさらに研究して、母国でも試してみたい」と感想を述べた。マダガスカルの研修生も「自分の国では手作業で除草している。農薬も値段が高く、この農法は参考になった」という。川島さんは「生産性の向上だけでなく、食の安全や環境保護に対する意識が非常に高かった。水の確保や衛生面などで克服すべき課題は多いだろうが、アフリカ農業の新たなヒントになればうれしい」と話している。

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