農作業の後は温泉で”ゆったり”…遊休地利用へ宿泊プラン/藤野

7月3日22時0分配信 カナロコ

 農作業の後は温泉ですっきり―。JTB関東と相模原市藤野町の市民ボランティア団体が共同で、地元旅館の宿泊がセットとなった市民農園「宿(やど)・借(かり)農園」の入園者の募集を始めた。相模湖畔を望む高台に農園を整備。遊休農地をバックアップする宿泊プランは旅行業界では日本初の試みだという。

 「宿・借農園」の料金は、1年間の農園使用料(1区画80平方メートル)、種苗代や農機具の使用料、地権者農家による入園者に対する農業指導料、さらに市民農園近くの「藤野やまなみ温泉」入浴券15枚つづりが付いて計7万8千円(税込み)。これに農園から車で30分以内の指定旅館(現在3軒)の宿泊料(1人8千円で15泊分)を加えたモデルプランでは19万8千円(同)となる。

 農園は同市藤野町名倉の相模湖を見下ろせる高台にあり、広さは約1520平方メートル。それを19区画に分けた。

 陶芸家などの芸術家が移り住み、都心から近い同地域の魅力を掘り起こし、最近の市民農園ブームに連動したビジネスを模索していたJTBと企画会社が昨年11月に同市に遊休農地の受け入れ態勢を打診。市は、古民家ツアーなどを企画している地元市民ボランティア「ふじの里山くらぶ」とともに遊休農地を探し、公衆トイレや駐車場が近くにある同所を選び出した。地権者の農家3軒に貸し出しを依頼したところ、快諾を受け、雑草が伸び放題だった遊休農地を整備した。

 市の担当者は「荒廃農地を有効利用でき、地元旅館の利用促進にもつながる」と歓迎。地権者の農家が入園者の農業指導をする「市民農園整備促進法」の農園利用方式を使い、農家の収入にもつながるという。

 JTB関東の交流文化事業部企画開発マネージャーの樋口誠司さんは「ドイツ語で『クラインガルテン(小庭園)』と呼ばれるコテージ付き農園は全国に65カ所あり、キャンセル待ち状態。農業がブームの今、既存の宿泊施設を利用した農園の宿泊プランで気軽に農作業を楽しんでほしい」と話している。

 入園の問い合わせは「ふじの里山くらぶ」電話042(686)6750、宿泊問い合わせはJTB関東電話048(650)0205。

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