龍馬に会いたい:/7 ワイル・ウエフ号 /長崎

7月19日15時0分配信 毎日新聞

 ◇悲劇の歴史刻む地
 新上五島町江ノ浜郷にある「坂本龍馬ゆかりの広場」。風光明美な五島灘を望むこの地に、亀山社中の悲劇の歴史が刻まれる。
 龍馬らは薩摩藩がトーマス・グラバーから購入した帆船「ワイル・ウエフ号」の運航を任され、1866年4月28日に命名式のため長崎から鹿児島に向けて出航。だが5月1日朝に甑島沖で暴風雨に遭って漂流し、翌日に潮合崎(同町太田郷)沖で暗礁に乗り上げ沈没。龍馬が後継者として期待していたという池内蔵太(1841~66年)ら乗組員12人が死亡した。
 龍馬は事故を受けて島を訪れ、12人の墓の建立を地元住民に依頼、自ら「撓天溺死各霊」などと碑文をしたためたという。その墓は現在も地区の共同墓地に残され、住民らが供養を続けている。近くの民宿には、島に漂着したワ号のかじ取り棒も展示されている。
 今年5月2日、市民有志が集って初の墓前祭を開き、約80人が冥福を祈った。「五島龍馬会」の荒木智資(ともたか)事務局長(63)=同町=は「全国の龍馬ファンに島に来てほしい」と“志”を現代に発信している。【錦織祐一】
〔長崎版〕

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