喜光寺:450年ぶり、南大門再建へ 上棟式で500人「祝い詠」 /奈良

7月22日16時0分配信 毎日新聞

 奈良時代の僧、行基が創建したとされる奈良市菅原町の喜光寺(山田法胤住職)で20日、約450年ぶりに再建される南大門(高さ約12メートル)の上棟式があった。約500人が参列し、工事完成の無事を祈った。今後は瓦や壁、門周辺の塀の工事などがあり、来年3月に完成。5月に落慶法要が営まれる予定。
 同寺は721年の創建。南大門など建物の多くは16世紀半ばごろに焼失したとされ、現在は室町時代の本堂(重文)が残る。薬師寺(同市)の副住職でもある山田さんが90年に住職に就任。当時は雑草が生い茂るような荒れた状況だったが、写経などを通じて復興資金を募ってきた。
 上棟式では、参列者全員が「祝い詠」を唱えながら、棟木に結ばれた五色のひもを引いた。その後、棟木を打って木組み全体に魂を入れる儀式があり、工事関係者らが力強いかけ声で木づちを振るった。
 今月23日には、文化勲章受章者の彫刻家、中村晋也さんが作った仁王像が仮安置される。山田住職は「一人では何もできない。多くの方のお力を借りてここまでやってこられた」とあいさつした。【花澤茂人】

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