庭に「ウッドチップ」をまきましょう

 暑い夏の間はなかなかできなかった庭仕事やら大がかりな家事。やっと涼しくなってから……と思っていたら、もう師走の大掃除の季節が、もうそこまで。そこで、今回からはDIYや日曜大工から、ウチの中の掃除まで。「庭仕事、ウチ仕事」と題して、世界各地からお届けします。(海外書き人クラブお世話係・柳沢有紀夫)

 こんなことを言ったら、東京の小さなマンションに住んでいた十年前の自分に殴られること必至だが、広い庭のある家に住むのも善し悪しである。

 いや、オーストラリアに暮らし始めてすぐのころは、「やっぱり国土の広いオーストラアに住むんだから、それなりの広さの庭は欲しいよねえ」と思い描き、実際に庭どころかプール付きの一戸建てを自分と家族に奮発した。土地の広さ600平方メートル超で、少し郊外に行くと敷地面積数千平方メートルの家がゴロゴロ転がっているブリスベンでは特別広いほうではないが、キャッチボールやサッカーのシュート練習くらいなら充分にできる。子育て世代の私にとってはまさに夢のウチだった。

 ところが、ブリスベンは亜熱帯だった。東京の温帯とは植物の生育するスピードが段違い。放っておくと、「広大な土地に立つ、庭付き一戸建て」が「大ジャングルの小さな家」になりかねないので、木々の剪定から芝刈りまでやることがあれこれある。

 その一つが「ウッドチップ撒き」だ。果樹園や花壇は何もしないでそのままにしていると、雑草がすくすくと伸びて、登山技術で言うところの「藪こぎ」をしないと奥に進めなくなる。かと言って、花壇ならまだしも、せっかく有機栽培している果樹園に除草剤をまくのも気が引ける。そこで、ウッドチップの出番だ。

 ウッドチップはその名の通り、木材を小片に削ったもの。これを厚さ10センチくらい撒くと、雑草が生えにくくなるし、生えても抜きやすくなるのだ。

 ということで数年前に庭のあちこちに撒いたのだが、何しろ自然の素材なので、年月とともに風化・分解され、土に還ってしまう。そこで、ふたたび撒くことにしたのだが……。

 家の立っている部分と芝生の上にはまかないので、必要な場所はざっと見積もって60平方メートル。以前まいたものが多少残っているので、厚さ8センチ分を新たに追加することにして計算したら、約5立方メートル必要になる。もちろん自家用車で運べる量ではないから、造園の素材を売っている店からトラックで配達してもらう。そして子ども三人も含めて、家族総出で庭にまく。……といっても、なんたって5立方メートルだ。バケツだけでは埒が明かないので、手押しの一輪車を購入した。

 木の種類はいろいろあるが、わが家ではシロアリが嫌うというヒノキのモノを使っている。

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