春に庭木がきれいな花を咲かせられるようにと、福知山市三段池公園の市植物園が17日に「寒肥と落葉樹の植え付け」講習会を開催。市民20人が受講して公園内の樹木を使い、施肥のポイントなどを学んだ。
冬場に有機肥料を施しておくと、新芽が出る3月ごろに効き始め、ちょうどタイミングが良いとされている。
講習会は植物園の樹木医、柳瀬満男さんが講師を務め、資料をもとになぜ冬場の管理が大事なのかといった説明から始めた。
有機肥料は土中の微生物が食べることによって分解され、はじめて効くが、夏場に肥料をまくと、微生物が活発なため一気に分解されて発酵熱をもち、根を傷める。それが冬場だとゆっくり分解されるほか「少々熱をもったとしても、木が休眠しているので大丈夫」だという。
冬場に有機肥料を施すのには、もう一つ理由がある。表土だと雑草に肥料成分を取られてしまうため、穴を掘って施し、この際に、どうしてもスコップなどで細い根を切断してしまう。しかし冬場なら木が休眠しているため、根を切っても支障なく、柳瀬さんは「むしろ刺激を受けて根が伸びます」と説明を重ねた。
会議室での講習で要点を紹介した後は、公園へ出ての実習。樹木の枝の張り具合から穴を掘る場所の見当をつけ、木の高さに応じて肥料も配合していくなど、学ぶポイントが多く、受講者たちは自宅の庭ですぐに応用できるよう、熱心に質問しながら手を動かしていた。