「麦秋苑田門前の風景写真展」は19日、砺波市三郎丸の市福祉センター麦秋苑で始まり、多(田)門のある美しい光景に魅せられた元同苑所長の石野重幸さん(同市大窪)が2年前から四季折々に撮りだめた24点の写真を展示し、訪問客を懐かしがらせている。
多門は、両側に農機具などを納める納屋がついた門のことで、砺波地方などの農家で見られる。麦秋苑は市に寄贈された豪農の家屋を活用した福祉センターで、すっきりとした多門が市民を魅了している。
石野さんは、2年前に道路を挟んだ水田の管理を任され、水を張って写真に撮り、昨年は機械を使わずに稲を育てて収穫までの昔ながらの農作業光景を写真に収めた。
会場には、畔塗りから田植え、雑草取り、稲刈り、昔ながらの脱穀など一連の農作業のほか、獅子舞や子ども夜高、大行燈が多門前を行く光景などの写真が展示された。
写真のほかに土田みよさん(同市大門)が描いた「田の草取り」、杉林よし子さん(三郎丸)の「らちころがし」など3点の彩墨画、昔ながらの案山子(かかし)の実物が飾られ、訪れた人の目を楽しませている。24日まで。