紀美野町と有田川町にまたがる県立自然公園「生石高原」(標高870メートル)で28日、山焼きがあり、行楽客ら約500人が見守った。
約30ヘクタールの草原が広がるススキの名所として知られ、枯れ草や雑草が、新芽の成長を妨げないようにと、2003年から、この時期に行われている。消防団員らが事前に周辺の枯れ草を刈り取って防火帯を設け、火勢が強い場所には放水するなどして、延焼を防止。20日には、静岡県で野焼きの火に巻き込まれ、3人が死亡する事故が起きたばかりとあって、スタッフらが「風下に近付かないように」と行楽客らに呼びかけていた。
両町職員や地元のボランティアがガスバーナーで草木に点火すると、時折、風を受けてパチパチと大きな音をたてながら燃え広がり、草原を焦がしていった。家族で訪れた和歌山市六十谷、智弁和歌山小2年岡村直樹君(8)は「あんなに大きな火を見たのは初めて」と感心していた。
(2010年3月29日 読売新聞)