四万十市の四万十川の岸辺で、トサシモツケが群生して開花し、春の清流を白く彩っている。
同川流域と徳島県の那賀川、勝浦川流域のみに分布するバラ科の落葉低木。増水で冠水する日当たりのいい岩場に生え、4、5月に白い小花を密集して咲かせる。
群生地は8年前に市内の住民が見つけ、周囲の雑草や、増水時に掛かった流木やゴミを除去するなどして保護。今年も、長さ約70メートル、幅2~5メートルにわたり、高さ1~2メートルの数百本が満開になり、陽光を受けて川風に揺れている。
訪れた市民は「すごい群落」と驚いていた。世話をする住民は「長い間、大きな洪水にも耐えてきたようだ。保護できないものか」と話していた。
(2010年5月8日 読売新聞)