■若田さんと「きぼう」滞在 北杜に帰還した種
宇宙飛行士の若田光一さんとともに宇宙で過ごした、北杜市の国指定天然記念物で日本三大桜のひとつとされる「山高(やま・たか)神代(じん・だい)桜」の種が、同市武川町宮脇の元市職員、三枝基治さん(60)の自宅で発芽した。「宇宙桜」の開花まであと7~8年かかるという。(田中聡子)
種は2008年6月、地元の小学生が採取。同年11月、若田光一さんと一緒にスペースシャトル・エンデバーで宇宙に飛び立ち、約8カ月間、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で保管された。日本各地の名木の種を「宇宙旅行」させ、地上で花開かせる企画の一環で、市に戻された種のうち118粒を神代桜に詳しい三枝さんが預かり自宅で育てていた。
採種から種まきまでの時間が長かったうえ、今年は春になっても雪が降った異常気象。三枝さんは水やりの量を丁寧に調整したり雪よけのこもをかぶせたり、試行錯誤を重ねた。4日に芽が出ているのを見つけた時、「雑草じゃないだろうかと、何度も確認しました」という。
今後は8月ごろ、大きめのポットに移し替えて、しっかりと根をはらせる予定だ。