見附市月見台の刈谷田川河川敷で、3頭のヤギが4月から、市の「環境保全職員」として除草作業に奮闘している。市が進める河川敷整備計画の一環で、薬剤や機械を使わない、環境にやさしい除草手段を模索する中、ヤギの旺盛な食欲に着目。1年間の実証実験として放牧が行われることとなった。その食べっぷりの良さに、市は急きょ放牧地の拡大を検討している。
放牧されているヤギは、いずれも1歳のメス2頭とオス1頭。市の2010年度予算で、ヤギ飼育の普及活動などを行う県内の団体「全国ヤギネットワーク」(代表=今井明夫・新潟大学客員教授)から借り受けた。3頭は4月27日、久住時男市長から焼きノリで作られた“辞令書”をもらい、以来、除草作業に励んでいる。
3頭は当初、市が設置した600平方メートルの柵内で放牧され、枠内に生える雑草で飼育される予定だったが、「予想を上回る食欲」(市の担当者)で雑草が足りず、現在は、市が管理する公園で刈った草などを運び込んでいる。担当者は「今年は実験だが、これだけの効果があるなら継続できそう」と満足げだ。
市は周辺を市民の憩いの場とする計画で、ヤギの「集客力」にも期待がかかる。5月の連休中にはヤギを一目見ようと1日100人近くの市民が訪れ、早くも人気者になっている。今年度中には市民とヤギがふれあえるよう、資格を持つ専門の職員を配置する予定だという。
(2010年5月19日 読売新聞)