国土交通省の北村隆志鉄道局長は、29日に開いた就任会見で、「都市鉄道の利便性を高めたい」と話し、既存路線を連絡する短絡線の整備や駅施設の改良などを推進する考えを示した。一方で地方鉄道については、コンパクトなまちづくりを進める上で「鉄道の存在は大きい」とするとともに、「人が集まる『駅』の機能を、まちづくりにも生かすべき」などと述べた。
世界規模の環境問題が深刻化する中で「鉄道の意義を見直す時期になっている」。特に都市鉄道については、ネットワークがほぼ完成しており、今後は「利便性を高める」ための整備に力を入れる。そのことにより、環境への負荷が小さな鉄道の利用を促していく考え。
地方鉄道については、地域の活性化を進める上での『駅』の役割を強調。駅を中核としたまちづくりを進めるための財源を確保するために、「利用者だけでなく、自治体や企業などにも応分の負担が必要になる」とした。国としても事業費の補助などで取り組みを支援する方針でいる。
このほか、「(整備新幹線など)日本の背骨となる鉄道整備も進めていく」。厳しく不透明な財政環境の中ではあるが、「安定的な財源を確保していきたい」と話した。
Copyright (C) 2006KENTSU SHINBUNSHA. All Rights Reserved