休耕地で活用を 全国山羊サミットが7・8日に県内初開催/松田

カナロコ 10月3日(水)15時0分配信

 家畜としての山羊(ヤギ)の価値を見直し、共生の道を探る「第14回全国山羊サミットin神奈川」が7、8の両日、松田町民文化センター(同町松田惣領)を主会場に開かれる。各地の飼育関係者や研究者らでつくる「全国山羊ネットワーク」の主催。これまで沖縄や東北などで開かれてきたが、神奈川では初開催となる。県西部で休耕地の除草などを目的に飼育されている現状を踏まえ、「都市近郊での山羊の活用」をテーマに討論。現地見学も行う。

 主に乳用に飼育され、身近な野草を食べることから、飼いやすい動物として古くから親しまれてきた山羊。しかし、運営委員会事務局長の安部直重玉川大学農学部教授によると、1頭あたりの乳の生産量が山羊に比べて10倍多く、効率的な生産が可能な乳牛が普及した結果、全国の飼育頭数は半世紀前の約70万頭から1万5千頭ほどに減少しているという。

 ただ最近では、扱いやすく耕作放棄地対策にもなることから、その価値を見直す動きも広がっている。安部教授は「農家の高齢化に伴い、離農による荒れ地が増えている。放置すればシカやイノシシなどが山から下りて来て、食害の温床にもなる」と指摘。山羊は2日間で半径2メートルの範囲に茂った草を食べるとされ、その有効性を説く。

 初日の7日は、秦野市内での飼育事例のほか、モンゴルでの乳、肉の利用など国内外の話題が報告される。8日には、秦野や松田の現地見学が予定されている。

 安部教授は「山羊乳は牛乳アレルギーの人でも飲むことができ、日本を除く先進国では広く利用されている。荒廃農地対策としての飼育を通して環境教育や農村再生についても考えたい」と話している。

 サミットは7日午前10時から。参加費2千円で当日参加可能。問い合わせは運営委事務局(玉川大学農学部内)電話042(739)8296。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA