8月29日11時56分配信 中日新聞
【三重県】松阪市天白小学校の6年生58人が、卒業式で父母に座ってもらおうと、松阪木綿を使った座布団作りに取り組んでいる。綿や染料のアイの栽培に加えて、染色にも挑戦。子どもたちは「地元の伝統工芸で両親に感謝の気持ちを伝えたい」と張り切っている。
天白小では、地域文化への理解を深めてもらおうと、4年前の卒業生から松阪木綿の座布団などを作り、両親に贈ってきた。今年も4月に綿花とアイの種をまき、雑草を抜いたり水をあげたりしながら丹精してきた。
登校日の26日には、松阪木綿の手織り伝承グループ「ゆうづる会」のメンバーのてほどきで生地の染色に汗を流した。児童たちは収穫したアイの葉をミキサーにかけて、染液を準備。布の一部を輪ゴムなどで縛り5分ほど浸した。
液から上げた生地を水で洗うと、緑から少しずつ青に変色。輪ゴムを取って生地を広げると、鮮やかな青の中に丸や直線の白い模様が現れ、子どもたちは歓声を上げていた。
11月には座布団の中に詰める綿を収穫して、3学期にはミシンで座布団に仕上げるという。
中村帆貴君(12)は「輪ゴムの形を1つ1つ工夫したら、きれいな模様になった。裁縫も頑張りたい」と話していた。
(石原猛)