面倒だからは「×」 墓参り、代わりに行きます 清掃などサービス人気

9月19日14時23分配信 産経新聞

 故郷の墓と遠く離れて住む人や高齢者に代わり、墓石の清掃や墓参りを行うサービスが広がっている。雑草取りから専用の器具を使った本格的なクリーニングまで内容も多彩。彼岸のシーズンなどには、さまざまな事情で墓参りが難しい人たちにとって便利な代行サービスとなっている。(中曽根聖子)

 プロの技で見違えるように墓所をきれいにするサービスを提供するのは「メモリアルアートの大野屋」(東京都豊島区)。石材に優しい特殊洗剤と墓石専用の高圧洗浄ポンプを使い、人の手では落とせないような細部の汚れまで徹底的に洗浄する。料金は墓石の洗浄が5万円から、植木の刈り込みは5000円から。清掃のほか、墓石の目地補修、耐震補強なども手がける。

 「長年の黒ずみやコケが気になる」「普段の手入れでは汚れが落ちない」といった声を受け、同社は平成18年に墓石、墓所の修繕を行う専門部署を新設し、墓石を販売した顧客を対象にサービスを開始。高齢者を中心に昨年1年間で約600件の利用があったという。

 「お年寄りの場合、雑草や植木が茂って手に負えないという方も多い。お墓がきれいになって墓参りに気持ちよく行けると喜んでいただいている」とメンテナンス課の霞道明課長。

 ハウスクリーニング大手の「おそうじ本舗」(長谷川興産、豊島区)は昨年から、全国800カ所の店舗で「お墓のおそうじ代行サービス」を提供する。作業は雑草抜きとごみ拾い、墓石本体の清掃に加え、線香や花を供えて、依頼主に代わって墓参りまでを行う。安心して利用してもらうため、掃除前後の写真を撮影し、完了報告書とともに依頼者に郵送。供花は故人の好きな花や花色の指定も可能で、きめ細かなサービスが特徴だ。料金は、標準的な墓所の広さで1万8900円。

 埼玉県に住む40代の男性も今年、このサービスを利用した。母親が高齢のうえ、自身も仕事の関係で山形県にある父親の墓参りに頻繁に行けなくなったことから初めて依頼した。

 同社によると、腰をかがめる作業が難しい高齢者や、転勤などで故郷から遠く離れて暮らす共働き夫婦の利用が多く、海外からインターネットで依頼してくるケースも増えたという。

 同社東日本地域本部の見沢直人管理部次長は「少子高齢化で潜在的なニーズは高い」とみて、「掃除はプロに任せ、たまの墓参りには故人とゆっくり対話するなど時間を有効に使ってほしい」とすすめる。

 葬儀や法事に僧侶を派遣する「おぼうさんどっとこむ」(東京都稲城市)も、「代行墓参(ぼさん)」を手がける。同社では、海外赴任や病気などやむを得ない事情に限って受け付けており、「面倒だからといった理由ではお断りしている」という。

 社長で僧侶の林数馬さんは「墓参りは本来は自分で行うものだが、昔に比べて生活のペースが忙しく、彼岸や盆に足を運べない人が増えているのは確かだ。たとえ自宅にいても故人を思いだし、気持ちを向けて差し上げることが、一番の供養になる」と話している。

当社の雑草防止舗装もお役に立ちますので、ご活用下さい。 

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