遊休農地:牛の放牧で解消 本庄の中山間地で--県内初の試み /埼玉

10月22日13時2分配信 毎日新聞

 本庄市の中山間地域にある遊休農地で、牛の放牧が始まった。同市農業委員会が遊休農地解消を図ろうと発案。農業従事者として県内初の試みだ。同委は「畜産農家と協力し、荒れた土地を豊かな農地に生まれ変わらせたい」と話す。
 同委によると、市内には、土地改良が済んで耕作しやすい「農振農用地」だけでも約25ヘクタールが遊休農地となり、雑草や雑木が生い茂っている。中山間地域では山と里が一体化し、イノシシなどの獣害が絶えない。今回、3頭の肉牛が放たれたのは、同市児玉町秋山臼窪の0・7ヘクタール。かつて水田として利用されていたが5年ほど前から手付かずとなり、2メートルにもなるススキなどが伸び放題。地主は5軒とも農家ではないという。
 牛は地元の畜産農家、倉林邦利さん(59)から2頭、県秩父高原牧場から1頭借り受けた。牛は雑草を食べるだけでなく、糞(ふん)が肥料になるので、土地が肥えるなどの効果があるという。土地は3年後には地主に返還する計画で、その後は希望する農家や新規就農者に貸し出してもらう考えだ。自然肥育は乳牛や肉牛には適さないが、繁殖用の雌牛についてはその能力を高めてくれるという。委員会の八木義一会長(59)は「関心を持つ畜産農家が出てくれば、取り組みも広げられる。遊休農地を少しでも解消できるよう協力を得たい」と話している。【町田結子】

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