宇都宮・16歳ひき逃げ死:発生1年 家族ら、墓前の逮捕報告心待ちに /栃木

8月4日12時1分配信 毎日新聞

 ◇「自首して罪償って」
 08年8月、宇都宮市大谷町の大谷街道で、同市宝木町2、無職、石川花菜さん(当時16歳)が車にはねられ死亡したひき逃げ事件は未解決のまま、3日で発生から1年を迎えた。「犯人に対する憎しみは変わらない。自首して罪を償ってほしい」と父親の豊さん(42)。家族は犯人逮捕を墓前に報告できる日を心待ちにしている。【松崎真理】
 08年8月3日午前4時35分ごろ、花菜さんは燃料切れとなった原付きバイクを囲んで友人3人と道路脇に座っていたところ、宇都宮市街方面から走ってきた車にはねられ、約2時間後に死亡した。
 その後の調べで、逃走車両はトヨタ製「クラウン マジェスタ」など高級国産車の可能性が高いことが判明。現場付近に落ちていた逃走車両のものとみられる塗膜片は、「パールホワイト」に再塗装されていた。しかし決め手となる遺留物に乏しく解決していない。
 今でも花菜さんの家を訪れる友人は後を絶たない。私立高3年、小貫春菜さん(17)はある冬の寒い日、自分も薄着なのに「これ着てていいよ」と、大きな青い上着を差し出してくれた花菜さんを思い出す。「とても優しい子。まだまだずっと一緒にいたかった」と声を詰まらせた。
 同市下荒針町の花菜さんのお墓の横には、「天国でも大好きだったバスケットボールで遊んでほしい」と、ボールを両手で持つ石の像が設置された。豊さんは「花菜が死んだとは思っていない。会いたい気持ちは日増しに強くなっていく」と話す。
 県警は約800世帯に聞き込み捜査、約2200台の車を捜査した。3日は現場近くの交差点で宇都宮中央署員らがドライバーに情報を求めるチラシを配布した。情報は同署(電話028・623・0110)へ。

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