2日午前8時55分ごろ、むつ市南赤川町のJR大湊線の踏切で、野辺地発大湊行きの下り普通列車(2両編成)とトラックが衝突した。むつ署によると、トラックを運転していた同市大湊の板金工、野村忠さん(28)と助手席の同市南赤川町、無職葛西サダさん(79)がいずれも頭を強く打つなどして死亡した。列車はワンマン運転で、乗客と運転士の計18人にけがはなかった。同署が事故の原因を調べている。
現場は赤川駅の南約1・5キロにある踏切で遮断機、警報機はない。トラックは列車の下にめり込んで大破し、約100メートル引きずられていた。JR大湊線の東側を並行して走る国道279号方向へ線路を渡ろうとしたとみられ、電車が走ってきた踏切の右手は雑木や雑草が生え、見通しはあまり良くない。
乗客の一人で、50歳代の女性は「怖かった。列車は衝撃の後も走り続け、レールからはずれると思った」と話した。同署によると、葛西さんが自宅の屋根の修理を野村さんに依頼し、市内のホームセンターへ材料を買いに行く途中だったという。
JR青森支店によると、事故の影響で、大湊線は野辺地―大湊間の全線が一時不通となり、大湊線の上下計5本と東北線(青森―野辺地間)の上下計2本が運休。午後4時ごろ、平常運転に戻った。