野菜作りを通して、農業や食の大切さを学んでもらおうと、地元有志が設立した日向市の財光寺農業小学校で12日、今年最後の収穫祭があった。4月の開校から苗植えや肥料やり、雑草取りに汗を流してきた子どもたち。自分たちが育てた大根や白菜、ネギなどを掘り出すと笑顔を見せていた=写真。
元小学校長の二見順雄さんが、地域住民の協力を得て設けた農業小学校。財光寺小と財光寺南小の5、6年生計20人が1人33平方メートルの個人農園と990平方メートルの集団農場で、地元農家の指導も受けながら野菜を育ててきた。月2回の集団活動のほかに、自発的に作業に来ていた児童も少なくなかったという。
この日、「土に触れ、汗を流し、すてきな体験をした。自然の偉大さ、また怖さも知りました」と書かれた修了証も、二見校長から児童に手渡された。財光寺南小5年の石川海里君は「夏は草がジャングルみたいで雑草取りが大変だったが、自分で作った野菜はうまい」。
農業小学校という試みは県内初めてで、来年は「入学生」を増やし、再び4月に開校する予定だ。