大活躍!エコと癒やし、ヤギの「保線係」

埼玉県日高市の西武池袋線武蔵横手駅で、線路脇の空き地約5000平方メートルの草刈り役としてヤギ2匹が活躍している。

 草刈り機に代わって草をはんでもらおうと、西武鉄道が2009年8月に飼い始めたが、愛らしい姿で電車利用者らを和ませている。

 ヤギは、オスの「そら」とメスの「みどり」。線路の保守管理などを担当する同社工務部の社員が09年6月、「草刈りを人手によらずヤギに任せてはどうか」と提案。群馬県内の農家で生まれた2匹を引き取り、手作りの小屋で8月上旬から飼い始めた。

 社員が線路を巡回する合間などに、草が多い場所につなぎ、草をはませている。例年は夏場には人の腰くらいまで雑草が茂り、社員4、5人が年2回、数日かけて草刈り機で除草作業を行っていたが、昨年は一度も行わなかった。同社の試算では、草刈り機を使わないことで年間176キロ・グラムのCO2排出を減らすことができるという。

 駅や地元でもすっかり人気者に。近くに住む農業石森佐太郎さん(80)は「世知辛い世の中になったが、昔ながらの動物がいるというだけで、心が休まる。ホームや電車の中からよく見ている人がいますよ」という。

 同社の藤野充昭・飯能保線所長は「誰もヤギを飼ったことはなく、インターネットで調べるなどして手探りだったが、元気に育ってくれた。ほのぼのとした雰囲気が利用者にも好評のようだ」と話している。

(2010年1月24日13時12分 読売新聞)

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