台風15号 31カ所でがけ崩れ 県まとめ 最大346人自主避難

10月2日7時5分配信 西日本新聞

 1日未明に九州南部に最接近し、大雨をもたらした台風15号による県内の被害をまとめている県危機管理防災課によると、鹿児島市や南さつま市など6市町31カ所でがけ崩れが発生した。床下浸水した住家は3棟。臨時休校やイベントの中止も相次いだ。

 鹿児島市岡之原町で民家の裏山が崩れ風呂場に土砂が流入するなど、住宅の一部が損壊する被害は4市町で5棟に上り、鹿児島、日置両市では倉庫3棟が半壊。最大で275世帯346人が自主避難した。

 鹿児島市のかごしま県民交流センターで予定され、2000人の集客が見込まれていたシルバーフェアかごしま(県シルバー人材センター連合会主催)は中止になった。県内の小学校22校と特別支援学校1校が休校になった。

 林地や水路が壊れるなど、判明している被害総額は9600万円。イネが倒れたり作物が冠水したりする農作物の被害も出ており、被害額はさらに膨らむとみられる。

■裏山崩れ墓石倒れる 鹿児島市

 1日午前7時前、鹿児島市小野1丁目の「中迫共同墓地」の裏山のがけが高さ約10メートル、幅約20メートルにわたって崩れ、土砂が同墓地に流入して墓石が倒れるなどの被害が出ているのを墓参りに来た人が見つけた。けが人はなかった。同市などは、台風15号による大雨の影響とみている。

 同墓地の管理組合によると、129基ある墓のうち、約10基の墓石が倒れたり、土砂に埋まったりした。先祖の墓に土砂が流れ込んだ近くの主婦新田タヅ子さん(69)は「墓地は戦前からあるが、がけが崩れたのは初めて。土砂の量が多く、どう片付ければいいのか」と驚いていた。

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