親子でそばづくり まるごと体験 神奈川・小田原市

6月30日7時58分配信 産経新聞

 神奈川県は休耕農地対策と農業理解・体験促進のため、小田原市久野地区で、古くから製粉業が営まれるなど地域にゆかりの深いそばについて、種まきからそば打ちまで親子ですべて体験できる「そばづくりまるごと体験塾」を開設する。

 体験塾では、8月23日の入塾式後、土おこしと種まきをする。9月27日に雑草取りなどを、10月31日に収穫や製粉工場見学などを行う。最終的に11月28日に製粉体験とそば打ち、試食会を予定している(天候などで変更の可能性あり)。県は「耕作放棄地を再び利用できるようにしたい」としている。

 参加料は1人1千円。7月20日まで、県内在住の小学4~6年生と保護者15組の参加を募集する。問い合わせは県西湘地域県政総合センター企画調整課(電)0465・32・8903。

アニメの殿堂 制作現場は「施設より人材育成に資金を」

6月29日14時15分配信 毎日新聞

 アニメの殿堂って必要?--とも批判される国の「メディア芸術総合センター」(仮称)。海外で高い評価を受けるアニメやゲームの発信力を高める狙いだが、アニメ産業の空洞化が進み、日本アニメの土台はぐらつく。話題のセンターは、危機を救えるのか。【佐々木宏之】

 「昨年から受注作品数も制作費も減った。30分のテレビ1話を約1800万円で請け負っていたが、今は1300万円程度」。そう漏らすのはアニメ制作会社「ゴンゾ」(東京都練馬区)の鷹木純一プロデューサー(35)。中小零細が多くを占める業界の苦境を肌で感じている。

 絵の細密化で手描きの手間が増えたのに、人件費はそのまま。鷹木さんは「体力のない会社は去年からどんどんつぶれています」と証言する。制作担当の佐野真司さん(30)は言う。「センターを作るお金があれば、アニメ業界の再編に使い国家産業として育ててほしい」

 05~06年をピークに日本アニメの市場規模は減少に転じた。DVD販売の落ち込み、インターネット動画配信の発達などが背景にある。

 「遊びに使う金はゼロ。彼女ができても結婚なんてできるかな」。24歳の男性アニメーターは眠い目をこする。業界に入って1年、平均月給7万円だ。

 日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の調査では、20代アニメーターの平均年収は約110万円。離職率は8~9割とも言われる。アジア各国への業務委託に加え、技量の高い若手が育たない「空洞化」が進む。

 この苦境、メディア芸術総合センターは目をつぶるのだろうか。

 「中小の制作現場は助成を必要としている」と言うのは津堅(つがた)信之・京都精華大准教授(40)=アニメーション史。センターの意義も認めるが、資料集めは「国でなくてもできる」と批判的だ。「何の役にも立たない」と切り捨てるのは、「機動戦士ガンダム」などのヒット作を手がけたアニメーターで漫画家の安彦良和さん(61)。「アニメは“雑草”のたくましさで育ってきた。放っておいてほしい。国の助成には、表現を規制される懸念もある」と話す。

 有効活用を願う意見もある。JAniCAは23日、「センターをアニメ人材育成の拠点に」と自民党に提言した。たとえ批判でも、アニメに注目が集まっているのを好機ととらえた。桶田大介監査理事(33)は「選抜した若手を(センターの)常設スタジオで指導する。観光客が生の制作工程を見られるようにしてもいい」と提言する。

 センターはアニメの資料収集・展示や調査研究を担う、と文化庁報告書は定めるが具体的な中身は白紙だ。今後を審議する検討会メンバーでゲームクリエーターの石原恒和さん(51)は「予算規模は117億円。テーマパークのアトラクション1個程度なのだから、多くは欲張れない」と懐疑的だ。

 人材育成に業界再編……。課題は山積だがいずれにせよ、「単なる箱物にしないでほしい」との思いは現場に強い。「あと5~10年で、次世代育成が不可能になる」とJAniCAの桶田さん。残された時間はわずかで、危機感は切実だ。

タイムカプセル:「100年後」へメッセージ 日田の祇園の森で埋設式 /大分

6月29日14時1分配信 毎日新聞

 日田市伏木の「祇園の森」で28日、タイムカプセル埋設式があった。日田祇園山鉾(やまぼこ)の車輪に使うアカマツの大木が入手困難なため、「100年後」の用材化を目指して苗木の植樹が終了。日田祇園祭に寄せる市民の熱い思いを「100年後」の市民に伝える試み。
 ステンレス製のタイムカプセル(35×35×25センチ)には、佐藤陽一市長と後藤稔夫・日田祇園山鉾振興会長のメッセージ、日田祇園祭(08年)のDVD、日田祇園囃子のCD、第10回ホノルルフェスティバル(04年)参加記念冊子などのほか、市民の暮らしや世相を伝える資料を入れた。
 祇園祭の主役である山鉾9基の車輪(1基につき4個、直径70~80センチ)は運行のたびに磨耗し、寿命は5~6年。手を尽くして直径1メートル以上の大木を探し回るが、虫害などのため九州ではまず入手できないのが現状。
 埋設式で後藤会長は「06年に島根県で入手し、池で保管しているが、あと十数個分しかない。100年後の皆さん、このアカマツを利用し、伝統の祇園祭を後世に伝えて」とあいさつし、石松雅彰副市長とともに地下2メートルの穴にカプセルを埋めた。最後に、関係者約30人が生い茂った苗木の周りの雑草を除去した。【楢原義則】

鳴瀬川:初夏、希少な花々が群生 /宮城

6月29日12時2分配信 毎日新聞

 初夏の鳴瀬川で希少な花々の群生が見つかり、黄色や青紫のさわやかな色合いが彩りを添えている。
 美里町南郷の堤防では、シソ科の多年生草「ウツボグサ」の自生群落が青紫の花を咲かせた。花の高さは約5センチで、群落の規模は学校の25メートルプールほど。丘陵地の草原に多く生息し、低地で群生するのは珍しいという。
 対岸の大崎市松山の川原には、丈の低いマメ科の多年生草の「ミヤコグサ」の黄色いじゅうたん。双方をカメラに収めた地元の元高校生物教諭、河野真人さん(61)は「外来の雑草に負けずに在来種が群落を形成しているのはうれしい」と話す。見ごろは7月中旬ごろまで続くという。
 また美里町小牛田のの川岸では、高さ5メートルほどに育った樹齢約30年の自生桑が黒く熟れた実をたくさん付けた。生糸産業が衰退し、桑の木は珍しくなった。昔を思い出してほんのり甘い実を味わう人もいる。【小原博人】

雑草火災:福井、越前、敦賀で相次ぐ /福井

6月18日15時1分配信 毎日新聞

 県内で17日、雑草火災が3件相次いだ。けが人はなかったが、野焼きの消火が不十分だったことなどが原因とみられ、消防署では改めて防火を呼び掛けている。
 午前11時5分ごろ、福井市角原町の竹林から出火。枯れ葉など約300平方メートルを焼いた。福井南署の調べでは、下草を燃やした後の消火が不十分だったのが原因とみられる。
 午後0時25分ごろには、越前市中平吹町の北陸道上り線の道路脇斜面から出火し、雑草約100平方メートルが焼けた。現場付近では上下線とも一時最高速度が50キロに規制された。
 さらに、午後1時40分ごろ、敦賀市野坂の竹林で下草が燃える火事があり、約600平方メートルを焼いた。敦賀署の調べでは、竹林を所有する男性(67)が午前中に古い竹を焼き、消火せずに火が消えたと判断して帰宅したという。【安藤大介】

子供たちがアイガモ放鳥 和歌山・橋本

6月18日7時57分配信 産経新聞

 農薬を使わず、アイガモに害虫を駆除させる「アイガモ農法」に取り組んでいる和歌山県橋本市恋野、辻本賢三さん(73)の水田で、近くの恋野幼稚園児と恋野小学校5年生の計30人がアイガモを放した。

 子供たちは今月1日に生まれたばかりのアイガモを水田に放すと、苗の間をスイスイ泳ぐ姿に「かわいい」などと大喜び。アイガモは稲穂がでてくる8月初旬まで害虫を食べたり、泥をかき回して雑草が育たないように活躍する。

 辻本さんは17年前からアイガモ農法に取り組んでおり、今年は5カ所、計約70アールに70羽を放鳥。収穫した米は「合鴨米」として出荷し、子供たちにもおにぎりにしてふるまうという。

4駅前で早朝清掃、中学生ら950人が汗流す/秦野

5月31日17時0分配信 カナロコ

 ごみのない街づくりを進めようと、秦野市内の小田急線4駅前で31日、中学生や婦人会、商店会の人たちが参加した「駅前早朝ゴミゼロクリーンキャンペーン」が行われ、合わせて950人が参加した。

 秦野駅前では、午前6時から付近の中学生や商店主、スーパー従業員らが参加。軍手にごみばさみなどを持ち、紙類や空き缶、ペットボトルなどを集めた。駅前ということから、たばこの吸い殻などが多く目についた。

 ここ数日の雨模様の影響か、捨てられた壊れたビニール傘も目立ち、道路脇の植え込みの雑草を引き抜く参加者の姿も見られた。

 同市清掃事業所の集計では、同日のキャンペーンで紙などの可燃物約320キロ、瓶や缶など不燃物約60キロを回収したという。

アイガモ:豊かな実り願い、みんなで米作り 園児らが放つ--東近江 /滋賀

5月18日14時2分配信 毎日新聞

 「カモさん おいしいお米を作ってね!」と17日、東近江市池之尻町の田んぼで地元の幼稚園や保育園の園児、小学生らが雑草や害虫を食べるアイガモのひな80匹とニゴロブナ数匹を放す催しがあった。地元の兼業農家の人たちで作る「愛鴨会」(小林喜代次代表、10人)が子どもたちを招いて開いたもので、今年で5回目。
 田んぼは、同会が地元の農家から借りた約30アールで、既に会員が田植えを終えている。この日は親子連れや小学生のグループ計約40人が参加。小林代表が「カモと触れ合いながら、楽しく、おいしい米作りを」と話した後、体長15センチほどに育ったアイガモのひなを受け取った子どもたちが次々と田んぼに放した。子どもたちは、「ピヨピヨ」と鳴き声を上げながら泳ぐ姿を見送っていた。
 琵琶湖の固有種ニゴロブナの2年魚も放流。魚類はかつて田んぼで産卵し、稚魚は水路を通って琵琶湖に帰ったとの説明を、子どもたちは感心しながら聞いていた。小林代表は「カモや自然と触れ合う情操教育、農業体験を楽しんでもらえた」と話していた。
 秋には、この日の参加者らを招いて稲刈りや収穫祭をする。【松井圀夫】

会いたい聞きたい:「食べるイ草」で地元貢献を目指す、稲田剛夫さん /熊本

4月12日13時1分配信 毎日新聞

 ◇「特産で八代を元気に」--稲田剛夫さん(66)
 八代地方は今、30センチほどに伸びた特産のイ草畑が広がっている。洋間中心の家が増え、生産農家が苦境にある中、イ草を畳だけでなく「食用」に用途を拡大し、需要の掘り起こしを進めている人がいる。八代市鏡町の有限会社「イナダ」の稲田剛夫社長(66)は、イ草業界のベンチャーでもある。【笠井光俊】
 --イ草を食用に粉末化した商品を開発してから17年目になるそうですね。
 ◆はい、でも「イ草を食べる」という感覚はまだ広がっていません。既成概念を打ち破るのは大変です。ただ、やっぱり八代を元気にするのはイ草です。イ草で栄えた街としての知識や経験を畳以外でも生かすべきです。
 --開発の際にはいろいろな苦労があったと想像します。
 ◆以前から「八代・鏡地域には土産物がない。特に食べ物が」と思っていて、「特産のイ草を食べられないか」と考えたわけです。勉強のため図書館に2年通い、県工業技術センター(熊本市)にイ草の成分を分析してもらいました。
 --無農薬生産にこだわっています。
 ◆食品にする以上、農薬は使えません。当初は生産を農家に頼もうとしましたが難しく、自分で作り始めました。今は5アールの畑で11月ごろに苗を植え、初夏に収穫します。その間はひたすら雑草取りに追われる毎日です。
 --イ草の良さは何ですか。
 ◆食物繊維や栄養素を多く含んでいます。粉末を溶かした液に魚や肉を浸すとくさみが消えるし、お茶に混ぜると渋みが和らぎます。しかも素材の良さは損なわない。合わないのはビールぐらいですね。畳に座ると体が安定するので集中力が増します。子どもたちも畳の部屋で変わりますよ。
 --イ草粉末を使った食品が次々に出てきているとか。
 ◆自社でティーバッグを作っているほか、他の食品加工会社が麺(めん)や飴(あめ)、青汁など数十種類の食品に使ってくれています。最近は同じ鏡町の野村鮮魚店が、粉末を混ぜた卵焼きやてんぷらなどの食材を盛った弁当を売り出しています。
 --イ草農家や流通業者と「いやしの会」というグループを作っているそうですね。
 ◆畳向けに無農薬のイ草を生産しています。結成から10年でようやく農家の希望価格で買い取ってもらえるようになりました。成功だと思います。
 --今の思いを教えてください。
 ◆イ草は素晴らしい素材です。もっとイ草に感謝し、もっと勉強しなければいけません。イ草や畳にはまだまだ可能性があります。昔のような「イ草の街」に戻すことは夢ではありません。
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 ◇プロフィル
 実家はノリ養殖の網や、イ草で畳表を作る時に編み込む糸の販売をしていた。1992年にイ草粉末を商品化。現在は八代市商工会観光部会の副部会長として「心の観光」をキーワードに活動している。

希少植物オグラコウホネを守ろう 勝竜寺川で新入社員ら清掃に汗

4月7日11時29分配信 京都新聞

 京都府の希少野生生物に指定されている植物「オグラコウホネ」が生息する長岡京市の勝竜寺川で6日、近くに工場がある香製造販売会社「松栄堂」(本社・京都市中京区)の新入社員らが、河川の清掃に取り組んだ。
 オグラコウホネはスイレン科の多年草で、6-9月に黄色い小花を咲かせる。勝竜寺川では市民団体「乙訓の自然を守る会」が2003年に植生を確認、保全に取り組む。松栄堂は全社的な環境保護活動の一環で毎年、清掃に協力している。
 この日は新入社員10人が、先輩社員や同会のメンバーらと川に入り、ごみを拾い、オグラコウホネの成長を妨げる雑草や枝を刈り取った。清掃には2月に上流の川に汚水が流出した食品加工工場の関係者も参加した。
 新入社員の小野里恵子さん(22)は「自然とかかわる仕事の責任を再認識した」といい、スイスの実家が農家のセバリー・セリーヌさん(32)は「京都も自然やきれいな川が残っている。大切にしないと」と話した。