用水路除草にヤギ

水路脇で雑草をモグモグ――。傾斜地など足場の悪い場所が多い農業用の用排水路周辺の除草対策として、県などがヤギを活用した実験を進めている。農家の高齢化で作業の担い手が減る中、低費用でできる対策として効果が確認されているという。

 実験場所の一つ、前橋市五代町の農業用水路近くで13日、農業関係者を集めた説明会が開かれた。ホースでつながれたヤギと放牧されたヤギの計2匹が飼われ、周囲は草がまばら。ヤギの入れない隣の区画では、大人の背丈ほどの高さの雑草が密に茂っており、実験の効果がうかがえる。

 農業用の用排水路は、傾斜のきつい場所もあり、除草作業中に水路に落ちてしまう高齢者もいるという。県中部農業事務所では、本来、山間地で生息するヤギなら、足場の悪い場所でも動き回れると判断。人件費と比べても費用はかからず、新たな担い手に選んだ。

 実験は60万円の予算で、今年7月に開始。前橋市の五代町と西大室町で、飼いやすい雌のヤギ2匹ずつを放った。県が計算した設備費は2万9800円。ヤギは市内の牧場から1匹2万円で借りた。1日に1匹あたり2~3キロの雑草を食べており、同事務所は「十分な効果。ネットフェンスに絡まった雑草も、非常によく食べてくれる」と話す。

 実験では、放されたヤギが用水路に落ちてしまうケースも。対策として、集団行動する性質を利用し、1匹を用水路に届かない範囲でホースにつなげたところ、もう1匹も用水路に近づかないようになったという。

(2009年11月14日 読売新聞)

カモ飛来、越冬準備で1000羽 坂井の「鴨池」

朝晩の冷え込みが日ごとに増し、秋から冬へ季節が移ろいゆく中、福井県坂井市三国町加戸の大堤(通称・鴨池)には、例年通りカモが続々と飛来し、越冬の準備をしている。

 10月上旬に「みくに鴨池を守る会」の阪本周一会長(74)=同町宿2丁目=が、ヒドリガモやオシドリなど約720羽を確認。現在は約12種類1千羽以上が“投宿”しているという。

 マガモやヒドリガモがのんびりと水面(みなも)を漂ったり、浅瀬で羽の手入れをする姿が見られる。阪本会長によると、カモは夜行性で、夜には坂井平野や九頭竜川で雑草、水生昆虫を食べるという。

 12月に入ると、さらに数が増えてピークの1月には3千羽を超える。繁殖のため、カムチャツカ半島などに渡る来年3月末ごろまで見ることができる。

カメムシ防除 環境に配慮 特別栽培米で特許/滋賀県と9JA 安心産地アピール

滋賀県と県内9JAが、県独自の特別栽培米の生産方法で特許を取得したことが、10日までに分かった。化学農薬を使わず畦畔(けいはん)の雑草管理だけで斑点米カメムシの侵入を抑え、さらに被害粒が多いあぜ際の稲を中央部とは別に額縁状に刈り取り、額縁部分の米は色彩選別機にかける、という一連の技術。特許を取得したことで、県では県産米の「安全・安心」をアピールする考えだ。

 滋賀県などが特許を取得した栽培技術は、(1)畦畔の雑草2回刈り(2)水稲の額縁刈りによる分別貯蔵(3)色彩選別機を使った選別――の3つから成る。

花壇整備 交流の場に

重症心身障害児施設・びわこ学園医療福祉センター草津(滋賀県草津市笠山8丁目)にこのほど、地域住民らが花壇を造り、植樹も行って同園へ寄贈した。

 ■芝生を張り植樹、舗装も

 センターの敷地内で草刈りボランティアをしていた近くに住む中尾修さん(70)が、雑草が多くて利用者らが出歩きにくい状態になっていると、地元の南笠東学区まちづくり推進委員会代表の川瀬善行さん(59)に敷地内の整備を提案したのがきっかけでできた。

 推進委員会が利用法を考え、約250平方メートルに芝生を張って舗装も行い、ブドウやユズなどの木を植え、5つの花壇も設けた。工事が終わり、このほど寄贈式を行った。

 川瀬さんは「身近にあるびわこ学園に、将来に残る物を贈りたかった」と話す。同センター職員は「おかげで利用者同士の交流も深まる。地域の人も気軽に来てほしい」と感謝している。

カエデまつり 準備はOK

 広島県天然記念物「唯称庵(ゆいしょうあん)跡のカエデ林」(安芸高田市甲田町)で14、15の両日開かれる「カエデまつり」を前に、主催する地元の22区地域振興会は7日、会場一帯の草刈りなどをした。

 約30人が参加した。入り口前や駐車場用の空き地の雑草を、かまや草刈り機などで刈り取り、広場に地元野菜などを販売するテントを設営した。振興会の冨永主計会長(77)は「景観も整った。紅葉は月内いっぱい楽しめそう」と話していた。

 まつりは両日とも午前9時から。14日は午後2時から住民によるオカリナ演奏やフラダンスなどがあるほか、同日は日没後から午後9時まで会場一帯でろうそくをともす。

むつ市の踏切で事故 トラックの2人死亡

 2日午前8時55分ごろ、むつ市南赤川町のJR大湊線の踏切で、野辺地発大湊行きの下り普通列車(2両編成)とトラックが衝突した。むつ署によると、トラックを運転していた同市大湊の板金工、野村忠さん(28)と助手席の同市南赤川町、無職葛西サダさん(79)がいずれも頭を強く打つなどして死亡した。列車はワンマン運転で、乗客と運転士の計18人にけがはなかった。同署が事故の原因を調べている。

 現場は赤川駅の南約1・5キロにある踏切で遮断機、警報機はない。トラックは列車の下にめり込んで大破し、約100メートル引きずられていた。JR大湊線の東側を並行して走る国道279号方向へ線路を渡ろうとしたとみられ、電車が走ってきた踏切の右手は雑木や雑草が生え、見通しはあまり良くない。

 乗客の一人で、50歳代の女性は「怖かった。列車は衝撃の後も走り続け、レールからはずれると思った」と話した。同署によると、葛西さんが自宅の屋根の修理を野村さんに依頼し、市内のホームセンターへ材料を買いに行く途中だったという。

 JR青森支店によると、事故の影響で、大湊線は野辺地―大湊間の全線が一時不通となり、大湊線の上下計5本と東北線(青森―野辺地間)の上下計2本が運休。午後4時ごろ、平常運転に戻った。

ホタル飛び交う里に

瀬戸市の「定光寺ほたるの里の会」(桜井宣義会長)は31日、同市川平町の「稲込の里」で、ゲンジボタルの幼虫の放流を前に水路の整備を行った。

 水路の周辺は雑草が生い茂り、イノシシが踏み荒らしたり、大雨で土手の一部が崩れたりしていた。今月22日に幼虫と餌のカワニナを放流する前に整備しておこうと、会員やボランティアの人たち約30人が、シャベルやクワなどを使って泥をすくい上げ、イノシシが壊した土手を修復したり、雑草を刈り取ったりした。

 同会では12年ほど前に水路を整備し、毎年多くのホタルが飛び交っている。加藤繁紀事務局長は「6月にホタルの乱舞を楽しんでもらうには保全が大切です」と話していた。

(2009年11月1日 読売新聞)