川の通信簿「万力公園」は4つ星 山梨

 国土交通省が河川公園設置者や一般市民と3年ごとに河川空間の利用のしやすさを調査する平成21年度版「川の通信簿」がまとまった。全国108水系、665カ所で調査した。富士川水系では山梨、静岡両県計6カ所が調査対象。山梨県分では5段階評価で前回調査(18年度)は3つ星だった山梨市の「万力公園」は「木陰が多く、よく整備されている」が「ごみや犬の糞(ふん)が気になる」として、4つ星評価にとどまった。

 甲斐市の「信玄堤公園」は1ランクダウンの3つ星。「歴史、文化を感じることができる」が「ごみ、雑草が多い」とマイナス評価が影響。今回初めて調査対象となった笛吹市鵜飼橋右岸の「石和ふれあいゾーン」はよく整備され、特に「トイレがきれい」というのが評価を高め、4つ星を獲得した。

古代米づくり体験講座:親子連れら、雑草取り体験--盛岡 /岩手

昔ながらの手作業で古代米を栽培する「古代米づくり体験講座」が11日、盛岡市上鹿妻の志波城古代公園で開かれた。全5回のうち3回目の今回、親子連れら36人が稲の育ち具合を観察し、水田の雑草も取った。

 5月23日の前回講座では、古代米の一種で紫黒米の「おくのむらさき」を公園内の水田約300平方メートルに植えた。約1カ月半がたち、水田には雑草が生えてきたため、参加者は裸足や長靴で水田に入り、手作業で雑草を抜き取った。08年から毎年受講している盛岡市山王町、小学4年、山田優羽さん(10)は「去年より雑草がいっぱいでびっくりした。すぽっと抜けて楽しかった」と笑顔で話した。

 9、10月に稲刈りと脱穀を体験し、収穫した古代米は参加者に配布するほか、同公園のお土産として販売する。【安藤いく子】

躍動自生ハンゲショウ 四万十市

初夏に葉が白くなるハンゲショウが、四万十市で見頃を迎えた。梅雨明けまで楽しめそう。

 ドクダミ科の多年草で、夏至から11日目の「半夏生(はんげしょう)」(7月2日)の前後に葉が白くなることに由来する。白い葉をおしろいに例えて「半化粧」ともいう。湿地を好むが、開発などにより自生地が減ってきている。

 四万十川に近い同市不破の水田沿いに残る群生地では、今年も長さ7メートル、幅2メートルにわたって色づいた。毎年、所有者が雑草を刈るなどの世話をしており、住民らは「株が少しずつ広がっているようだ」と話す。白い葉は、花がしおれると元の緑に戻るという。

(2010年7月6日 読売新聞)

いのちの条約:COP10・NAGOYA 生物多様性を守れ/6 農作物

◇生産効率優先で在来品種が衰退
 生物多様性を守る対象は野生生物だけではない。農作物や魚介類、微生物など多岐にわたる。このうち、農業分野では生産効率の高い農作物が残り、それ以外の品種は消えゆく運命にありがちだ。遺伝子の多様性損失に当たる種の画一化によって、災害や感染症の発生時に食料不足に陥りかねない。だが、種苗法やカルタヘナ法は、農作物の多様性を守るには不十分だ。【関東晋慈】

 今年2月のチリ大地震は、農作物の多様性が失われていることを気づかせる出来事となった。日本人が食べる野菜の種子の9割は適した気候などを求めて海外で育てられている。地震の影響でネギやニンジンなどの輸送が滞った。トキタ種苗(さいたま市)の本沢安治専務は「5月近くまで輸送のめどが立たなかった。結果的に影響は小さくてすんだが、農家の人たちはずいぶん心配した」と話す。

 戦後、味や形、収量が安定するよう種苗会社が開発した1代限りの交配種(F1)が普及。新品種を登録し、開発者の知的財産権を保護する種苗法は、98年の改正に伴い種子開発への企業の参入を奨励し、F1は市場を席巻した。各地で長く栽培、採種されてきた在来品種は減少した。

 また、73年に開発された遺伝子組み換え技術も在来品種の保全に危機感を与えた。遺伝子組み換え生物の取り扱いを規定したカルタへナ法は、遺伝子組み換え生物が雑草など野生生物と交雑するのを防ぐことを目的に掲げているものの、農作物への影響までは考慮していない。

 各農家に自家採種の習慣が失われると、採種技術も消滅する。各国に「ジーンバンク」と呼ばれる種子の保存施設が整備。日本にも独立行政法人・農業生物資源研究所(茨城県つくば市)が運営するジーンバンクがある。しかし、研究用は無償提供だが、農家には有償で使い勝手が悪い。

 世界銀行などが出資する国際機関「国際生物多様性センター」(本部ローマ)のクウェシ・アタ・クラ次長は「本来ならば、農作物の種子の多様性は、各農家がそれぞれの地域に適した品種を育て続けることで維持される。しかし、現在の各国の政策は企業が開発した技術を保護し、農家の伝統的な作業や多様性保全への配慮が欠けている」と指摘する。

 農林水産省は「法律で在来種の保全は盛り込まれていないが、農林水産省生物多様性戦略(07年策定)に基づいて、種子の保存に努めている」と話す。

  ◇   ◇

 約5000品種の野菜や豆類などの種子を保管する財団法人・広島県農林振興センター農業ジーンバンク(東広島市)。一般にも種子を無料で貸し出す全国唯一の公的研究機関で、多様な品種が消滅することに危機感を募らせて、広島県が89年に設立した。技術参与の船越建明さん(73)は「ジーンバンクは縁の下の力持ちで、何か事が起きれば威力を発揮する。しかし、保管に意味があるのではなく、活用することが前提だ。遺伝資源としての種子は骨董品(こっとう )ではない」と話す。

 安芸高田市の農家、森末盛男さん(69)は2年前、農業ジーンバンクから県特産の「青大(あおだい)キュウリ」の種子を借りて栽培を始めた。過疎化に危機を感じ、「何か活性化策はないか」と考えていたところ、船越さんから青大キュウリの栽培を提案された。キュウリは重さが約1キロにもなり、特有の青臭さがなく、ほのかな甘みがある。森末さんは「在来種は独特の栽培、採種技術が必要だが、それを楽しんでいる。あと2年やれば利益も出て、他の農家も参加してくれるようになるはず」と実感する。

 西川芳昭・名古屋大教授(開発行政学)は「地元で収集・保存している種子を農家に無償提供し、その地域開発の資源として活用しているのは、国際的にも参考になる取り組みだ。海外から品質がいい種子を取り入れることと多様性を守ることはバランスが難しいが、農家が日ごろから行ってきた取り組みを支援する法制度が必要だ」と提言する。

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 ■ことば

 ◇種苗法
 78年制定。食料の安定供給や豊かな生活を得ることを目的に、農作物や花といった植物の新品種を登録し、開発者の知的財産権を保護することを規定している。この権利を侵害すると、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が科される。98年に国際種苗法条約改正を受けて改正され、育成者の権利を明確にした。

 ◇カルタヘナ法
 生物多様性条約に基づき、遺伝子組み換え作物などを規制する国際協定「カルタヘナ議定書」の国内法。03年制定。違反した場合、最も重いもので、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科される。

苗植え:地域の道路を花いっぱいに 飯塚・二瀬中生徒ら植える /福岡

飯塚市立二瀬中学校のフェンス脇の道ばたに30日、地域住民と1年生約150人が花の苗を植えた。元々は雑草が生い茂っていた場所で、地元の市花いっぱい推進協議会のメンバーらがスコップで耕し整備した。

 30日も地元住民ら約10人が学校を訪れ、生徒と一緒に作業した。「花を見て生徒たちの心が豊かになれば」と庄籠(しょうごもり)雅子さん(74)。

 用意された苗は約360本。生徒たちはシャベルで土をやわらかくし、ポットから取り出した苗を丁寧に植えていた。岡田聖奈さん(13)と勝野瑞紀さん(13)は「元気に育つようにと植えた。普段はあまり通らない場所だけれど様子を見に来たい」と話していた。

〔筑豊版〕

里山や農村の風景切り取る

 中国新聞写真クラブ員、金高洋子さん(49)=広島市安佐北区=の写真展「人と自然」が大田市の三瓶自然館サヒメルで開かれている。

 かやぶき屋根の農家とモミジなど、島根、広島両県で里山や農村の風景をとらえた力作16点。以前は野鳥撮影がメーンだったが、八川小(島根県奥出雲町)の校庭の大イチョウに魅せられた2年前から、人とかかわりのある自然を追い続けている。

 雑草を抑えるため、冬に水を張る農法の田んぼにコハクチョウのが集うシーンは、自信作の一つ。金高さんは「手つかずの自然とも違う、人と自然が共生する風景を大事にしていきたい」と話している。展示は7月4日までで、入館料が必要となる。

遊説録:雑草の志大事に--民主党・仙谷由人官房長官

(24日)

 昨年の政権交代まで問題だったのは、ボンボンの2世や世襲が何の理由もなく長く議員を務めた。いい家のお生まれであるというだけで政治の真ん中に座り、日本の国家の経営、政府の運営をダメにしてきた。そのことを国民の多くが感じとって新しい政権を作っていただいた。菅直人政権は雑草のように現場で生きる者の志、気持ちを最も大事にしながら国家を経営する。(東京都新宿区での街頭演説で)

「マンテマ」除草、鳥取砂丘で格闘…韓国ドラマロケ控え

鳥取砂丘に、ヨーロッパ原産の帰化植物「マンテマ」がはびこり、鳥取県は26日、ボランティアを募って緊急の除草作業を行った。県内では人気韓国ドラマ「アイリス」の続編「アテナ 戦争の女神」のロケが8月末に始まる予定で、砂丘はその有力な候補地。「一面の美しい砂地でロケを実現させたい」と、約70人が群落と格闘した。

 マンテマは、江戸時代に観賞用に持ち込まれ、全国の海岸や空き地に自生地が広がった。砂丘では数年前から小さな群落ができ始めていたが、今年は中央の大斜面「馬の背」の南西側約2000平方メートルにわたって一気に広がった。

 参加者は馬の背周辺に散らばり、高さ30センチほどに伸びたマンテマを株ごと引き抜いていった。県関西本部職員、渡辺比呂志さん(45)は「今年は世界ジオパーク認定に向けた現地調査もある。美しい景観を守り、世界から注目を集めるようにしたい」。

砂丘では、河川改修などの影響で海からの砂の供給が減り、1970年代から雑草が生い茂るように。96年から毎年7~9月に除草作業が行われており、2004年からは市民ボランティアも参加。県砂丘事務所によると、マンテマは、ほかの雑草より早く6月下旬頃に1株あたり約5万個の種を落とすため、一気に広がったらしい。

 今年の通常のボランティア除草は7月23日~9月5日、毎週金~日曜日に行われる。問い合わせは県砂丘事務所(0857・22・0583)。

(2010年6月27日 読売新聞)

ソフトB山田、パ初育成出身勝利投手

「ソフトバンク6‐1日本ハム」(24日、ヤフド)

 188センチの長身がいつも以上に大きく見えた。ソフトバンクの山田は八回まで4安打無失点。九回に1点を許し交代したため完投は逃したがプロ初勝利でパ・リーグ初の育成出身投手勝利をマークした。

 6連敗中というチームの危機を救った。「とりあえずホッとしています。きょうは絶対に負けを止めようと思った」。自分の初白星よりも連敗ストップ。いつも以上に強い気持ちを持って投げた。

 秋山監督は「山田は本当にいいピッチングだった。これを自信にして、次も同じ投球ができるようにね」と孝行息子の初白星を喜んだ。

 王会長からは“鷹のカネやんになれ”とゲキを飛ばされている。背番号34。400勝投手・金田正一氏と姿がだぶる大型左腕だ。3月に支配下選手登録、2軍では5勝を挙げ1軍に抜てきされた。田中(楽天)、斎藤(早大)らと同世代の4年目。“雑草魂”ではい上がってきた。

 「ファームで頑張っている人がたくさんいる。そういう人たちの力になれば」。“育成の星”が魅せた快投は秋山ソフトバンク再浮上のきっかけだけではなく、2軍で汗を流す若手選手にも大きな励みになる。

木の実、流木独創アート

ごみ処分場問題など環境破壊に警鐘を鳴らしてきた絵本作家田島(たしま)征三さん(70)が手すきの和紙に彩色し、木の実や自然の素材で制作した作品12点などの展示会が7月4日まで、三鷹市下連雀4のぎゃらりー由芽(ゆめ)で開かれている。「生きていた記憶を持つ物質が人の心に強い印象を与えるのでは」と考える田島さんの独特の作品世界が広がっている。

 スペイン・バルセロナのミカ美術館の庭で拾った木の実でつくった「手ばなしたプラン」、石垣島の雑草の花をコラージュした「みんなで歌っているよ」、モクレンのつぼみの殻による「失(な)くした手紙 破った手紙」――作品につけられた題名にイメージが膨らむ。

 ドングリの実の下部を覆う「ハカマ」や、エゴ、ユリノキ、タイサンボクといった木の実のほか、流木も活用。未成熟の木の実をすぐ干して柿渋につけてカビや虫を防ぎ、ニカワで張り付けたという。

 田島さんは、多摩美術大学卒業後、1960年代後半から「ちからたろう」で世界絵本原画展金のりんご賞、「とべバッタ」で絵本にっぽん賞を受賞するなど人気作家として活躍。90年代、自給自足を目指してヤギやチャボを飼い畑を耕す生活をしていた日の出町でゴミ処分場建設反対運動にも参加。森の中で見つけた木の実などを素材とした制作に取り組み始めた。

 たまたま検査で見つかった胃がんで大手術をした後の98年4月、30年近く住んだ日の出町から伊豆に療養を兼ねて移住。がんの克服については、「近くに群生するコゴミを毎日食べていたので免疫力が高まったと思っている」と笑う。

 今年2月、ドイツで聴いたモダンジャズコンサートで今回の作品群の着想を得た、という。一方、田島さんの4畳半もの大作でコナラのハカマを使った「地上の星座」、モクレンの実による「自爆する男」は、パリの市立美術館で来年1月まで展示されている。

 「由芽」とは、闘病中の98年9月に個展を開催して以来の縁が続く。田島さんの新作絵本「かまきりのカマーくんといなごのオヤツちゃん」(大日本図書)なども展示販売。正午~午後7時(木曜休)。問い合わせは由芽((電)0422・47・5241)。

(2010年6月23日 読売新聞)