兵庫県新温泉町の上山高原で、ススキが見頃を迎え、銀色の穂が秋風に揺れている。10月末まで楽しめる。
標高約900メートルの同高原は、雑草が覆い茂って一時、ススキが少なくなったが、2001年から地元住民らが草刈りや雑木を伐採し、群生地が再生した。銀色の穂は夕日を浴びて黄金色に輝き、放牧牛がのんびり草を食べている。
(2009年10月4日 読売新聞)
兵庫県新温泉町の上山高原で、ススキが見頃を迎え、銀色の穂が秋風に揺れている。10月末まで楽しめる。
標高約900メートルの同高原は、雑草が覆い茂って一時、ススキが少なくなったが、2001年から地元住民らが草刈りや雑木を伐採し、群生地が再生した。銀色の穂は夕日を浴びて黄金色に輝き、放牧牛がのんびり草を食べている。
(2009年10月4日 読売新聞)
10月4日16時1分配信 毎日新聞
別府市南町の旧市立南小跡地に文化交流施設を整備する計画の見直しについて、浜田博市長は2日、同市浜脇で開かれた地元住民らの「跡地活用検討委」で、「判断が甘かった」と陳謝した。出席者からは「85年の市役所移転以来、何度もだまされてきた」などと強い怒りの声が上がり、当面の跡地活用策を早急にまとめるよう求める意見が相次いだ。
旧南小と旧浜脇小が合併した現在の南小は04年4月、旧浜脇小敷地で開校。旧南小跡地に図書館や多目的ホール、児童館などを整備する計画がまとめられたが、建設費や運営・維持管理費として15年間にわたり年約4億8000万円以上が必要と分かり、浜田市長が9月議会で見直しを表明した。
検討委では、桃谷正彦・市自治委員会南地区支部長が「市役所が南部地区から現地に移転後、大規模な再開発計画が作られてはつぶれている。幽霊屋敷のような校舎が残り雑草が生い茂る現状を見ていると、いっそ建物を撤去して更地にした方がましだ」と怒りをぶちまけた。市は、校舎取り壊しの是非を含めた当面の対応策を年度中にもまとめ、再度住民の理解を得たいとしている。【祝部幹雄】
緊急雇用対策として東近江市地域振興事業団に臨時採用された熟年者が、5月下旬からはつらつとした働きぶりで、公園整備に一役買っている。期間は半年間だが、働ける喜びを実感している。
事業団は5月末、緊急雇用対策として24人ほどを6カ月間、臨時職員に採用。多くは定年退職後、ハローワークで再就職先を求めていた60歳以上の人たちで、蒲生野歴史街道と延命公園のイメージアップ、道路の維持管理などの作業に週3、4日程度従事している。
近江八幡市と竜王町にまたがる雪野山(308メートル)では、山頂に続く4本の散策路を7人で整備。メーンの散策路は地元の自治会で整備しているが、手が及ばない散策路は生い茂った雑木や雑草で覆われていたという。
作業員は4カ月ほど山に入り、草刈り機で雑草を丁寧に刈り取り、チェーンソーで道路をふさいだ雑木を伐採。見通しが良くなり、住民やハイカーらは「見違えるほどきれいになった」と喜ぶ。
昨年10月に会社を定年退職し、5月末から働く大城正栄さん(60)=東近江市妙法寺町=は「ハローワークで2カ月ほど探して、やっと見つかった仕事。仲間にも恵まれて、気持ち良く仕事ができる」とにっこり。仕事は6カ月で打ち切られるため、大城さんは「また、新しい仕事を見つけたい」と話していた。
(前嶋英則)
富山市太田南町の重要文化財「浮田家」で、池に水を引けずに雑草が生い茂り、破れた障子も直せないなど、手入れが行き届かない状態が続いている。庭木の剪定(せんてい)や茅葺(かやぶ)き屋根の修理などに予算を使い切り、池の整備や障子の補修に手が回らないためだ。浮田家を管理する市生涯学習課も、伝統的な景観を維持できない状態に頭を悩ませている。
浮田家の管理人の中村利昭さんや関係者によると、庭園の池では現在、水路に泥やおがくずが詰まって水を引くことができず、雑草が生い茂っている。母屋では座敷などの障子十数枚が破れたままになっているほか、経費節減で母屋の一部しか電気をつけないため、室内が薄暗く、来場者が休館日と間違えることもある。
市生涯学習課によると、手入れが行き届かない理由は管理費不足にある。浮田家の予算は年々減少しており、今年度の管理費は約200万円。それも庭木の剪定や雪囲い、茅葺き屋根の修復などに使われ、池や障子の補修費は残らない。
また、文化財などの入場料は次年度の管理費に充てられるが、浮田家の入場料は大人100円で、年間入場者は約3000人に過ぎない。
これに対し、同じく市内の重要文化財「森家」では、ライトレール沿線という地の利もあって年間約5万人が訪れており、岩瀬自治振興協議会への今年度の管理委託料は人件費を含めて約580万円となっている。
浮田家の来場者の中には、荒れ果てた景観に肩を落とし、「文化財が泣いている」「水のない池が寂しい」などの声も聞かれる。市生涯学習課は「十分な景観整備や活用策を検討したい」としている。
◆浮田家 江戸時代中期の農家の建築様式を残しており、1979(昭和54)年、宅地を含めて母屋、表門、土蔵の3棟が重要文化財に指定された。80~82年に1億3300万円をかけて半解体修理が行われ、一部の間取りを往時の姿に戻した。敷地面積は約5190平方メートル。
「ここの土はすごいでしょ。ほとんど肥料やってないのに歩くとフカフカする。農薬やらないからミミズがいっぱい住んでいるんです」。
そう言って、愛おしそうに畑の土をつかむのは、昨年までトメアスー郡の農務局長を4年間務めるなど、森林農業の普及に尽力する小長野道則さん(51、鹿児島県出身)だ。親に連れられ2歳でトメアスーに入植し、現在では850ヘクタールの土地を所有、うち180ヘクタールを農場にしている。
森林農業は、アマゾンの大自然に苦汁をなめさせられ続けた日本移民が、身体をはって踏ん張り抜いた末に作り出した独特な農法だ。
近代農業の基本であるモノカルチャー(単一作物大規模栽培)は、アマゾンにガンとして拒絶されてきた。フォードを初め多くの欧米資本の事業や欧州移民の移住地が解散してきた事実はそれを雄弁に物語っている。
日本移民も胡椒栽培を通じてそれを痛感した。60年代後半から根腐れ病が蔓延して壊滅的な被害をこうむり、胡椒景気は10年余りで終わってしまった。
しかし、今の伯国農業の中心は、大豆やトウモロコシ、サトウキビなどの輸出産品だ。「大変な借金を抱えてやるバクチ農業、自然から収奪するだけの永続性のない農法だ」と小長野さんは感じており、「モノカルチャーではアマゾンはいずれ砂漠になる」と警告の声をあげる。近代農業にもいずれしっぺ返しが来ると見ている。
森林農業の畑を作るのに資金は最低限で良い。マンジョッカを長年生産して養分がなくなって放置された土地に、肥料を入れバナナを植える。収穫するためでなく、途中で切り倒して有機養分にするためだ。「貧乏だったから、あるもので工夫するしかなかったんですよ」と謙遜する。
3年たった森林農業の〃畑〃は一見すると茂みにしか見えない。頭上を覆う果樹植物の葉で薄暗くなった環境に、背丈以上の胡椒の木が育ち、たわわに実がついている。足元には果樹の落ち葉がたまり、微生物が分解して有機質に変えている。
「これなら鳥も虫も帰ってくる。落ち葉で覆われた地表からは雑草が生えないので除草剤はいらず、農薬や化学肥料も最小限で十分、病害虫も発生しづらい」という。
その養分でミミズや微生物が増え、同じ畑に植えられた陸稲、胡椒、マラクジャ、カカオ、マホガニーなどがだんだん育っていく。畑は徐々にこんもりした藪になり、木陰に覆われた地表には雑草も生えない。初年度は米が取れ、次にマラクジャ、その後からカカオの収穫が始まり、さらに数年間は胡椒も。30年経つころにはマホガニーが立派になっている。
同じ畑から数年ごとに収穫物が移り変わり、最後には再生林の極相森になる。自然と寄り添うこのやり方はアマゾンの神さまから許された。
かつて、カカオの実が黒くなるテングス病が蔓延したことがある。
「黒くなったのを切り取って地面に植えて自然に分解させると、次の年には病気の原因となる胞子が発芽しないことが分かった。分解させないと胞子を振りまきもっと拡がる。自然環境のバランスがとれていれば広まらない病気だったんです」
自分の肥料や苗まで持ち出して近隣のブラジル人に広めている理由を問うと、「人間食べられるようになれば悪いことをしなくなり、治安も向上する。森林農業のおかげで、子供も町に出ないで一緒に働くようになったと感謝されています」と多面的な効果をのべた。
小長野さんは「家内には週末ぐらい家にいろと叱られますが、週に1回は畑に出ないと休まらない」と頭をかいて笑った。(続く、深沢正雪記者)
写真=マホガニー、バナナ、胡椒、マラクジャなどがうっそうと茂った森林農業の〃畑〃。土の表面にはたっぷり落ち葉が溜まっている/小長野さん
◇アイガモがキツネに襲われ全滅、総出で草取り
アイガモに除草させる方法で米の無農薬無化学肥料栽培に取り組む大崎市三本木の専業農家、小関俊夫さん(61)は6月、大きな困難に見舞われた。約2ヘクタールのササニシキの田に放して間もないアイガモ200羽がキツネに襲われ全滅したのだ。目前に迫った除草シーズン。家族総出で草取りを続け危機を乗り切った。今、穂波がそよぐ田を見やりながら小関さんは「めげない農の心をつかんだような気がする」と話す。
千葉県の家きん業者から仕入れたアイガモ。6月3日朝、田の一角にしつらえた仮屋根付き寝床の周囲に散乱する死骸(しがい)を見つけた。抜け落ちていた毛などから複数のノギツネの仕業と分かった。
除草は、質量ともに良い米作りに欠かせない作業。無農薬をまっとうするためには除草剤は使えない。知人から2度、乗用除草機を借りることができたが、後から後から雑草は出てくる。
「手取りで頑張るしかない」。こう決めた小関さんに妻の陽子さん(58)はもとより3人の娘や高校1年生の男孫が文句も言わずに仕事休みや部活動の合間を縫って草取りをしてくれた。照る日も雨の日も腰をかがめてヒエやコナギなどの草を抜き取る作業が1カ月続いた。そのかいあって実りは10アール当たり8俵弱(1俵60キロ)と例年並みの見込みだ。
小関さんは、アイガモ農法を8年前に導入したが、無農薬無化学肥料栽培歴はさらに古く今年で28年目。かつての手取り除草の経験が今回の作業に生かされた。小関さんは「今年は『アイガモ米』ではないけれど、家族のきずなと思いがしみこんだ『家族米』です」と話す。稲刈りは10日ごろだ。
連絡は小関さん(0229・52・3363)。【小原博人】
中学校で作物などの生物の育成を学ぶ授業が必修化される。
校庭の隅にずらりと並んだ土入りの米袋。畑代わりのこの袋に、3年生約30人がそれぞれダイコンやカブの種をまいていた。9月15日、大阪府大東市立諸福(もろふく)中学校で行われた技術・家庭科「作物の栽培」の授業だ。
授業では、種をまいてから収穫までを学ぶ。肥料を与えた作物と、与えない作物とを比較して育て、人が手を加えることで作物が良く育つことを学んだりもする。この日、生徒らは種をまいた後、作業の説明や感想をプリントに書き込んだ。
木村直哉君(15)は、1学期にはトウモロコシ作りに取り組んだ。「作物がどうやって育つか知らなかった。自分で作って食べたものはおいしい」と笑顔で話す。
◎
「栽培」は、現在は技術・家庭科の選択授業だが、2012年度から施行される新学習指導要領で、「生物育成に関する技術」と名前を変えて必修化されることになっている。選択だと取り組む学校が少ないこと、05年に行われた国の意識調査で、「栽培」に対する生徒の意欲が必修科目に比べて低かったことなどが背景にある。
「今の子どもたちは生まれた時から野菜は買ってくるという発想で、育成過程がブラックボックス化している。体験を通して、そこに込められた技術や苦労を知ることが必要」と文部科学省の担当者は話す。
作物は、農薬や肥料、バイオテクノロジーなどの技術を使い、計画的に育てられる。そうした技術を子どもたちが知り、興味を持てば、新たな担い手育成につながる。一方で、技術には環境破壊などの負の側面もあり、生産者、消費者とも理解を深めることは必須と言える。
◎
無農薬は1個300円、通常栽培は1個30円――。ジャガイモの栽培を通じ、技術について考える授業を行ったのは、北海道立教育研究所研究研修主事の大西有さん(43)だ。
大西さんは、昨年度まで勤めた北海道教育大学付属旭川中学校で、生徒一人一人に通常栽培と無農薬の二通りでジャガイモを育てさせた。無農薬にすると、雑草が生え、休み時間にも草取りが必要で手間暇がかかる。かかった材料費や人件費などを金額に換算したら、通常に比べて無農薬は約10倍の価格になった。
「本当に安全な作物を栽培するのはかなり大変」「農薬に頼らなくてもたくさん収穫できる技術を開発する必要がある」。生徒たちは野菜が安く手に入るのは、技術のおかげだということを実感したという。
「農薬も一概に悪いとばかり言えないし、使いすぎてもいけない。『健康』と『経済性』という二律背反の中で、最適な答えを求める考え方を中学校で身に着けることは意義がある」と大西さんは話す。
育てる技術を使いこなすにも、まずは学ぶことが第一歩だ。(名倉透浩)
生物育成に関する技術 技術・家庭科の選択「作物の栽培」が名前を変えて必修化される。従来は作物の栽培だったが、対象は魚や動物などの生物一般にまで拡大。そうした生物の育成体験を通じて、基本的な知識や技術の習得、技術を評価し活用する能力を養うことを狙いとする。
(2009年10月1日 読売新聞)
日本一の石橋群(75基)を誇る宇佐市院内町で29日、是永修治市長をはじめ商工観光課職員、観光ガイドらが石橋を点検した。年間約6万人(07年度)の観光客があるが、「説明板が古く、判読が困難。雑木などで橋がよく見えず写真が撮れない」などの苦情が多数寄せられたため。
一行が今回、点検したのは、優雅なたたずまいを見せ「貴婦人」と呼ばれる鳥居橋(県指定有形文化財)や由布岳が望める富士見橋など5基。点検の結果、4橋には音声案内が設置されているが、故障したまま。ほとんどの橋の側壁に、雑草や雑木が生えており、説明板もひび割れていた。
院内ふるさとガイドの一人・向野茂さん(74)は「橋の細かい破損も見られ、大事に至る前に修復してほしい」と要望。是永市長は「雑木の除去をすぐ指示した。看板の立て替えは補正予算で対処したい。長期的な視野で保存を考えたい」と話した。【大漉実知朗】
9月30日16時1分配信 毎日新聞
「のべおか天下一(てんがいち)薪能」(10月10日)を前に29日、延岡市内の建設会社の職員ら26人が、延岡城址(し)二の丸広場前の石垣の雑草を刈り取った。
大瀬建設産業(吉岡宜彦社長)によるボランティア作業。職員は体にロープを結わえ、軽業師のような身のこなしで、高さ約23メートルの石垣に生えた草や雑木を取り除いた。
1603年、高橋元種が築城。石垣は、野面積(のづらづみ)で、一番下の石を取ると一気に崩れ落ち、別名「千人殺し」とも呼ばれる。97年から始まった薪能では、幽玄な雰囲気を醸す舞台背景となっている。
作業班長代理の花田昌幸さん(44)は「延岡を代表する歴史的な石垣をお客さんに最高の状態で見てもらえればうれしい」と話した。
春の杉やヒノキに並び、秋はブタクサなど雑草の花粉が飛散する季節。花粉症植物の分布や飛散状況などを調査している鳥取地球環境研究所(鳥取市・市谷年弘代表)は、県内でも花粉症の主な原因となるオオブタクサやカナムグラの群生を確認した。「アレルギー体質の人は川辺や草むらに近づかないで」と注意している。
ブタクサ(キク科)は、多年草のオオブタクサと一年草のブタクサの2種類ある。葉がクワの葉に似たオオブタクサは、ヨモギに似たブタクサに比べ花粉生産量が多く、繁殖力が強い。花粉飛散は8月から9月だ。
カナムグラ(アサ科)は一年草のつる草。多数の淡緑色の花を付け、飛散は9月から10月中旬にかけて。
昨年、オオブタクサが群生していた八頭町の私都川沿い(延命寺~下津黒間、約1キロ)では、今年も群生が確認された。
オオブタクサとカナムグラは、湿り気のある場所に多く見られる。市谷代表(43)は「カナムグラは刈り切れないくらい繁茂する。アレルギー体質の人は、川辺や草の生えている付近には近づかないで」と呼び掛けている。