干陸地に生い茂る雑草、ごみ 7日に清掃大作戦 地元NPO法人 参加者を募集

諫早市の国営諫早湾干拓事業で造成された干拓地周辺に広がる干上がった土地(干陸地)で7日、大規模な清掃活動が行われる。主催するNPO法人「拓生会」(川田順一理事長)は参加者を募集している。

 干陸地は13年前の潮受け堤防閉め切りにより、水位が下がったことで湾奥周辺にできた計約600ヘクタールの空き地。川から流れてきた各種のごみのほか、雑草などが生い茂っているため古タイヤや電化製品などの不法投棄物も目立つという。清掃活動は今回で3回目。

 拓生会は、干陸地を地域振興に役立てようと一部区域を利用してコスモスなどを植えたり、花火大会なども主催。同会は「多くの人に諫早湾の今を知ってもらい、広大な干陸地の自然も体感してほしい」と話している。

 今回は同日午前9時から、湾北部の同市高来町の干陸地や市内中心部の本明川河川敷でも清掃活動を実施。集合場所は、小江干拓地近くの干陸地など計4カ所。小雨決行。拓生会=0957(27)7500。

=2010/02/04付 西日本新聞朝刊=

東海道新幹線 立ち往生 品川―小田原

 二十九日午後一時五十分ごろ、東海道新幹線の品川-小田原間で停電が発生、午後五時十三分に復旧するまで約三時間半、両駅間の上下線で計六本が立ち往生し、うち五本に乗車していた計約三千百人が缶詰め状態になった。計百九十本の新幹線が遅れ、乗客約十四万九千人に影響が出た。JR東海は同日夜、東京、名古屋、新大阪の三駅に宿泊用の新幹線を用意した。 

 新横浜-小田原間の横浜市神奈川区羽沢町で下りの架線が切れたのが停電の原因とみられ、線路横ののり面では垂れ下がった架線から出た火花が燃え移ったとみられる火災が発生。直前に通過したこだま659号の12号車パンタグラフが中ほどから折れて分解し、こだまの屋根や線路に落ちていた。JR東海などがパンタグラフとの関連や架線が切れた原因などを調べている。

 運転見合わせ区間は一時、上りの新大阪-東京間、下りの東京-岐阜羽島間まで拡大。最大四時間二十一分の遅れで、計五十六本が運休した。

 JR東海によると、小田原駅に停車していた新幹線の乗客が「具合が悪い」と訴え、救急車を呼び、現場で手当てを受けた。立ち往生したのは品川-新横浜間で一本、新横浜駅で一本、新横浜-小田原間の四本。

 国土交通省関東運輸局(横浜)は二十九日夜、JR東海に、原因究明と再発防止を命じる警告文書を出した。

 切れた架線は、パンタグラフに接触する架線「トロリ線」をつる「補助吊架(ちょうか)線」で交流二万五千ボルトの電圧がかかっている。JR東海は架線の仮復旧やパンタグラフの点検を終え送電を再開した。

 神奈川県警によると、同日午後一時五十分ごろ、沿線にある横浜市神奈川区の住民から「新幹線が通過した後に大きな音がして架線が切れ、火花が出ている」との通報があった。消防によると、沿線で発生した火災で、のり面の雑草約二百平方メートルが焼けた。

粘り強く育ちました 畑でジネンジョ

ヤマイモを栽培する大田原市や那須塩原市の農家のグループ「八溝自然薯会(やみぞじねんじょかい)」が今季の収穫をほぼ終え、2千本近くが採れた。本格的な立ち上げからまもなく1年、今後は販路の確立を目指していく。

 会の事務局を務める大田原市桧木沢の果樹園経営鈴木良一さん(62)が6年前、県内で栽培が盛んな矢板市の「高原(たか・はら)自然薯会」が育てたジネンジョを食べたのがきっかけ。「自生と違い、粘り気がなく水っぽいのでは」との思いは外れた。「粘りがすごく強くて、味もしっかりしていた」。同会の知人から種イモを譲り受け、栽培を始めた。

 種イモを植え付けるのは毎年6月ごろ。畑に横たえた長さ1・5メートルほどの半円形樹脂パイプの中に入れ、土を固めるようにかぶせていく。山で自生ものを採るには1メートル以上掘らなければならないが、こうすることで、地中に深く伸びるのではなくパイプ内で地面と並行に成長していく。

 雑草を抜く程度の手入れだけで、あとは12月から年明けにかけての収穫を待つだけ。長さ1メートル以上、太いところで直径6、7センチまで育つ。

 食した人たちはその粘りの強さに驚くという。定番のとろろご飯だけでなく、水っぽさがないので、すりおろしてつみれ状にして鍋に入れてもいいし、磯辺焼きも美味だという。

 栽培したいという農家仲間や知り合いが少しずつ増えて昨年2月、二十数人で「八溝自然薯会」を立ち上げた。

 毎年仕入れる種イモにもコストがかかる。だが、本格的な商売のための正規の販売ルートは持っていない。

 この冬の鈴木さんの畑での収量は約400本。ほとんどを知人や経営する果樹園の客に譲っているが、都内の居酒屋から「ぜひ欲しい」と引き合いがあり取引している。ほかの会員たちも一部を農産物直売所などで販売するが、家族で食べたり、知人に分けたりしている人がほとんどだ。

 会員たちの間では、「家族で温泉でもいけるぐらいの稼ぎが出ればなぁ」との声が上がる。副収入の作物としては有望株。今後の販路の拡大、確保が課題だ。(武沢昌英)

薄れる記憶 早く情報を

倉敷市児島上の町で1995年4月、農業角南春彦さん(当時70歳)、翠さん(同66歳)夫婦が刺殺され、自宅が放火された殺人放火事件の時効成立が、あと3か月に迫った。犯人逮捕に結びつく物証がない中、時間の経過で寄せられる情報も減少しており、児島署の捜査本部(本部長=石田孝吉・刑事部長)は27日、「何としても手がかりをつかみたい」と、JR児島駅前などで情報提供を呼びかけた。(西蔭義明)

 事件は、同年4月28日未明に起きた火災によって発覚。角南さん方の木造2階建て住宅は全焼し、焼け跡から、胸などを刺され、頭部がない2人の遺体が発見された。犯人は2人を殺害した後、灯油をまき、火をつけたとみられている。

 捜査本部は残忍な犯行態様から、強い恨みが原因とみて捜査を進めてきた。しかし、夫婦2人で暮らしていたため、どのような生活をしていたかが詳しく分からず、動機は絞りきれていない。さらに、住宅の焼失などによって、容疑者につながる証拠が得られなかったことが、解決を一層難しくした。

 この間、投入された捜査員は延べ約8万9000人。捜査本部は昨年、捜査員を5人増員して16人態勢とし、見落としているものがないか、現場付近の聞き込みを続け、捜査記録を見直すなどしている。情報提供も計226件あったが、昨年は5件のみだった。27日は、捜査員らがJR児島駅やスーパーなどに立ち、通行人に情報提供を改めて求めるため、チラシ1000枚を配った。

 現場近くに住む女性(75)は「そんなにたったんですね。時効なんて信じられない」とため息交じりに話す。近所の人によると、角南さん夫婦が住んでいた住宅の跡地などは、時折、遺族が訪れて手入れをしているという。それでも樹木や雑草は生い茂り、時間の経過を物語っている。

 三村淳・児島署長は「夫婦や遺族の無念を何とか晴らしたい。ささいなことでも情報を寄せてほしい」と話している。

(2010年1月28日 読売新聞)

大活躍!エコと癒やし、ヤギの「保線係」

埼玉県日高市の西武池袋線武蔵横手駅で、線路脇の空き地約5000平方メートルの草刈り役としてヤギ2匹が活躍している。

 草刈り機に代わって草をはんでもらおうと、西武鉄道が2009年8月に飼い始めたが、愛らしい姿で電車利用者らを和ませている。

 ヤギは、オスの「そら」とメスの「みどり」。線路の保守管理などを担当する同社工務部の社員が09年6月、「草刈りを人手によらずヤギに任せてはどうか」と提案。群馬県内の農家で生まれた2匹を引き取り、手作りの小屋で8月上旬から飼い始めた。

 社員が線路を巡回する合間などに、草が多い場所につなぎ、草をはませている。例年は夏場には人の腰くらいまで雑草が茂り、社員4、5人が年2回、数日かけて草刈り機で除草作業を行っていたが、昨年は一度も行わなかった。同社の試算では、草刈り機を使わないことで年間176キロ・グラムのCO2排出を減らすことができるという。

 駅や地元でもすっかり人気者に。近くに住む農業石森佐太郎さん(80)は「世知辛い世の中になったが、昔ながらの動物がいるというだけで、心が休まる。ホームや電車の中からよく見ている人がいますよ」という。

 同社の藤野充昭・飯能保線所長は「誰もヤギを飼ったことはなく、インターネットで調べるなどして手探りだったが、元気に育ってくれた。ほのぼのとした雰囲気が利用者にも好評のようだ」と話している。

(2010年1月24日13時12分 読売新聞)

公有地に無償で神社、「違憲」と最高裁

北海道砂川市が神社に無料で土地を貸しているのは「政教分離違反」とした最高裁の判断について、県内でも公有地が神社に無償提供されていたことが、各自治体などへの取材でわかった。改めて調査を始めた市町もあるが、「小さいほこらは多すぎて調べきれない」「どこまでが違憲なのか」と戸惑いの声も出ている。

(花房吾早子)

 徳島地裁(徳島市徳島町1丁目)には昨年5月まで、御倉(み・くら)稲荷社というほこらがあった。1876(明治9)年、今の場所に当時の高知裁判所徳島支庁が開設された時にはすでにあったらしい。江戸時代、この辺りに家老の屋敷があり、ほこらが守り神だったという説もある。

 地裁によると、「国有財産を管理する立場として神社があるのは問題」と1987年に県議会で指摘があったのがきっかけ。20年余りをへて徳島市眉山町の春日神社への移転が決まったという。 岡山秀則宮司は「政教分離の原則に照らせば仕方ない。でも、信仰対象がなくなることは文化を壊すこと。それなら引き取ろうと思った」と話す。

 徳島市津田町1丁目に「お亀神社」と札のついたほこらがある。ここも市有地だ。昨年12月、「雑草を放置しておくのは防災の観点から問題ではないか」と市に問い合わせがあり判明した。市管財課によると、元々は旧斎津村(現・津田地区)の土地。1926年の合併時に市が引き継いだ。同課は、問題がないか調べる方針だ。

 県内24市町村で、公有地に神社があることを把握しているのは、22日現在で6市町。その他の自治体でも、土地台帳をもとに確認するなど調査を始めている。

 道ばたや山中には名もないようなほこらが多く、市町村は把握しきれないようだ。阿南市では、14の公民館を拠点に地域のほこらを洗い出す案も出ている。板野町も調査中だが、担当者は「かつて集落の人々で建てて、守ってきたものが違憲だと言われたら戸惑う」と話す。

 県神社庁によると、県内の神社は現在1306社。名もないほこらは含まれず、公有地にある神社の数の統計はないという。

兵庫県立播磨農高と酒蔵がコラボ 「玉丘のしずく」限定発売

兵庫県立播磨農業高校(加西市北条町東高室)の生徒たちが有機農法で栽培した酒米「山田錦」を使って醸造した特別純米酒「玉丘のしずく」の販売が21日、市内の酒店などで始まった。同校と地元の酒造会社、酒販売店の三者が5年前からコラボレーションして限定の日本酒を製造販売。生徒たちは「自分たちが作った農産物が加工され、商品として販売されることに生産者としてやりがいを感じる」と喜んでいる。

 同校では今年度、農業経営科作物・農業機械コースの2、3年生約30人が授業で山田錦の有機栽培に取り組んだ。約30アールの田んぼから約1・1トンを生産した。田植えの後、通常より1・5倍の深さになるまで水を張ったり、米ぬかをまいたりして雑草の成長を抑制するなど、できるだけ自然に近い農法で育てたという。

 収穫した酒米を地元で消費してもらおうと、平成18年から同市内の酒造会社「富久錦」と酒販売店「四季創庫モリ」とタイアップして特別純米酒を製造、販売している。

 ラベルのイラストは農業経営・園芸科1年の山本みづほさん(16)の作品。玉丘の豊かな自然の中で、はぐくまれたコメをイメージして珠付きのひもがコメの形になるようにデザインしたという。題字は馬場正人校長が受け持った。

 3年の小林周平さん(17)は「地産地消が実現し、社会参加を実感した。一生懸命に作ったコメが酒になり、消費者に喜んでもらっていると思うと生産者としてうれしい」と話していた。

 特別純米酒は、やや辛口ですっきりした味わい。720ミリリットル(税込み1400円)は720本、1・8リットル(同2800円)は300本の限定販売。問い合わせは富久錦((電)0790・48・2111)。

「多門」の美に魅せられ 砺波で石野さん写真展

「麦秋苑田門前の風景写真展」は19日、砺波市三郎丸の市福祉センター麦秋苑で始まり、多(田)門のある美しい光景に魅せられた元同苑所長の石野重幸さん(同市大窪)が2年前から四季折々に撮りだめた24点の写真を展示し、訪問客を懐かしがらせている。
 多門は、両側に農機具などを納める納屋がついた門のことで、砺波地方などの農家で見られる。麦秋苑は市に寄贈された豪農の家屋を活用した福祉センターで、すっきりとした多門が市民を魅了している。

 石野さんは、2年前に道路を挟んだ水田の管理を任され、水を張って写真に撮り、昨年は機械を使わずに稲を育てて収穫までの昔ながらの農作業光景を写真に収めた。

 会場には、畔塗りから田植え、雑草取り、稲刈り、昔ながらの脱穀など一連の農作業のほか、獅子舞や子ども夜高、大行燈が多門前を行く光景などの写真が展示された。

 写真のほかに土田みよさん(同市大門)が描いた「田の草取り」、杉林よし子さん(三郎丸)の「らちころがし」など3点の彩墨画、昔ながらの案山子(かかし)の実物が飾られ、訪れた人の目を楽しませている。24日まで。

春にきれいな花を咲かすよう 植物園で寒肥講習

春に庭木がきれいな花を咲かせられるようにと、福知山市三段池公園の市植物園が17日に「寒肥と落葉樹の植え付け」講習会を開催。市民20人が受講して公園内の樹木を使い、施肥のポイントなどを学んだ。
 

 冬場に有機肥料を施しておくと、新芽が出る3月ごろに効き始め、ちょうどタイミングが良いとされている。
 
 講習会は植物園の樹木医、柳瀬満男さんが講師を務め、資料をもとになぜ冬場の管理が大事なのかといった説明から始めた。
 
 有機肥料は土中の微生物が食べることによって分解され、はじめて効くが、夏場に肥料をまくと、微生物が活発なため一気に分解されて発酵熱をもち、根を傷める。それが冬場だとゆっくり分解されるほか「少々熱をもったとしても、木が休眠しているので大丈夫」だという。
 
 冬場に有機肥料を施すのには、もう一つ理由がある。表土だと雑草に肥料成分を取られてしまうため、穴を掘って施し、この際に、どうしてもスコップなどで細い根を切断してしまう。しかし冬場なら木が休眠しているため、根を切っても支障なく、柳瀬さんは「むしろ刺激を受けて根が伸びます」と説明を重ねた。
 
 会議室での講習で要点を紹介した後は、公園へ出ての実習。樹木の枝の張り具合から穴を掘る場所の見当をつけ、木の高さに応じて肥料も配合していくなど、学ぶポイントが多く、受講者たちは自宅の庭ですぐに応用できるよう、熱心に質問しながら手を動かしていた。

神戸・西区で火災相次ぐ 山林や雑草焼く 

17日午前11時40分ごろ、西区神出町東の雄岡山(241メートル)の中腹から煙が上がっているのを、男性が発見し119番した。市消防局が地上やヘリ2機で放水。山林約1・5ヘクタールを焼き、同日午後4時半ごろまでにほぼ消し止められた。

 また、同日午後2時半ごろ、同区玉津町高津橋の野谷池で、雑草約170平方メートルを焼いた。いずれも神戸西署が出火原因を調べている。

 神戸海洋気象台によると、県南部には14日から連日、乾燥注意報が出されている。