コウノトリ:復帰事業や育む農法、企業7社が視察--豊岡 /兵庫

10月18日16時1分配信 毎日新聞

 日本経済団体連合会の会員企業7社の環境部門担当者らが17日、豊岡市を訪れ、コウノトリの野生復帰事業やコウノトリ育(はぐく)む農法の現場などを視察した。
 日本経団連自然保護協議会に属する▽住友信託銀行▽アサヒビール▽トヨタ自動車▽東京電力▽大成建設▽清水建設▽積水化学工業の7人と日本経団連事務局の2人。
 県立コウノトリの郷公園や育む農法を実践する同市中谷地区などを見学。大豆畑では、稲と大豆を輪作することで、水田に生える雑草を抑える効果があることなどの説明を聞き、デジタルカメラで現場の様子を記録していた。
 住友信託銀行の石原博審議役(58)は「コウノトリを一つのキーワードとして観光、環境、地域おこしの三つがうまく完結できていると感じた」と話していた。【植田憲尚】
〔但馬版〕

名張市シルバー人材センター:草木類ごみをチップ化 市民らに無償提供 /三重

10月18日12時1分配信 毎日新聞

 ◇今年度300トン破砕計画--庭木の乾燥防止などに有効
 可燃ごみの資源化を進めようと、名張市シルバー人材センター(中山三郎理事長)は、ごみとして出された草木類をチップ化する取り組みを行っている。今年度は計300トンの草木を破砕する計画。完成したチップは庭木の乾燥防止などに有効で、同センターでは、市民らに無償で提供している。
 今年8月から始めた。草木類は、同市黒田の黒田チップ作業所(旧名張育苗センター)に運び込まれ、破砕処理される。チップは、庭木や果樹園の乾燥防止のほか、雑草の発生抑制などに効果があり、今年12月には、東山墓園(下比奈知)の遊歩道に、クッション材として敷き詰めることも計画されているという。
 この事業には、市と国が費用を半額ずつ負担。昨年度は作業所の整備費など計600万円、今年度も人件費などで計500万円を負担しており、来年度以降は、同市の草木類の年間排出量に当たる計約600トンを毎年、資源化するとしている。
 同作業所では、チップの配布のほか、一般家庭からも草木類のごみを受け入れている。平日と第3日曜の午前9時~午後4時。問い合わせは、人材センター(0595・63・6800)へ。【金森崇之】
〔伊賀版〕

御堂筋を花できれいに まちづくり団体が作業

10月8日8時6分配信 産経新聞

 まちづくり団体「御堂筋まちづくりネットワーク」(33者加盟)は7日、大阪のメーンストリート、御堂筋にあるプランターに季節の花を植える作業を行った。大阪市が設置したプランターが放置されていたため、手入れしようと企画されたボランティア活動。同ネットワーク事務局の藤川敏行さん(44)は「大阪の顔である御堂筋を地元の力できれいにしたい」と話していた。

 作業は朝8時にスタート。御堂筋沿いの企業や学校など、同ネットワークに加盟する10団体から33人が参加し、御堂筋の彫刻横にあるプランターに、ブルーサルビアやペチュニアパープルなど秋らしい植物を植え、沿道の雑草も抜いた。

 植栽したのは、市が平成16年に設置した6カ所計12箱のプランター。手入れされずに枯れ果てたため、2年前、市が提供した苗を同ネットワークが植える作業を行った。だが、素人による植栽で根付かず、今回は市からグリーンコーディネーターの派遣を受け、苗もネットワーク側が用意し作業を行った。

 活動に参加した損害保険ジャパンの西咲恵さん(24)は「道行くひとに気持ちよく歩いてもらえるようになったのでは」と話し、同社の山崎緑さん(22)も「自分たちで植えたことで、いつもと違う気持ちで通勤できそうです」。

 13年に結成された「御堂筋まちづくりネットワーク」は、御堂筋の彫刻設置やイベントの開催などを行っている。

<掘り出しニュース>日光市が雑草退治にヤギレンタル 早速、保育園に“出動”

10月4日18時42分配信 毎日新聞

 耕作放棄地などの雑草を退治し野生獣侵入の予防に役立てるため、日光市は3日、ヤギの放牧活動助成事業(ヤギのレンタル)を始めた。初日は2頭が、6日間の予定で保育園に“出動”した。

 市農林課によると、市内では後継者不足などから耕作が放棄された農地にイノシシなどが入り込み、周辺耕作地の農作物を食い荒らす被害が出ている。このため人力をかけずに無農薬で耕作放棄地の草刈りをし、農地の復旧を目指して、雑草を食べるヤギの貸し出しを始めることにした。

 市では日本産のシバヤギを購入した同市明神の農業者に5頭分の費用15万円を補助し、農業者は草刈りの希望者へ1日1000円で貸し出す。

 同市明神の明神保育園(赤沢正之園長)では2頭を借り受け、園庭に隣接する約400平方メートルの「緑地」の雑草退治を始めた。園児が「なっちゃん」「りぼんちゃん」と名付けたネームプレートを手作りして、首に掛けると、2頭は早速、雑草を食べ始めた。

 園ではこの後、レンゲ草とクローバーの種をまく予定。ヤギたちはその後、同市長畑の長畑自治会の農地に出動する。【浅見茂晴】

米作り:無農薬・有機肥料で「本当の米作り」、前橋の石橋さんが挑戦 /群馬

10月4日13時1分配信 毎日新聞

 前橋市苗ケ島町(旧宮城村)でこのほど、ある農家が農薬を使わず有機肥料だけで育てた「ササニシキ」と「コシヒカリ」計2・2トンを収穫した。炎天下で草取りをしたとき、足元にはホウネンエビやタニシ、ゲンゴロウなどが息づき、昔の田ではよく見られた生態系が復活していた。まだ、歩き出したばかりだが「本当の米作りをしたい」と熱意を燃やしている。【塚本英夫】
 「安全・安心でうまい米」に挑んだのは、代々続く養蚕・稲作農家に生まれた「百姓家・石橋」を名乗る石橋勇人さん(46)。農業指導者になるため、農業大学校を卒業したが「農業では食べていけない」「農薬や農協に頼る農業でいいのか」と悩み、村内の「電力中央研究所」で水耕栽培などを学んだが、こちらも納得がいかず、会社勤めなどを続けていた。
 米作りへの思いは断ちがたく、05年、自宅の20アールの田に自ら育てた苗を植えた。鶏糞(けいふん)肥料だけを施し、炎天下に増殖したヒエなどの雑草はすべて手で抜いた。水を張った田には5種類以上の生物が泳ぎ回っていた。父の一夫さん(83)は「昔の田んぼはこうだった。これが本当の田んぼだ」ともらした。
 06、07年と試作を続け、自信を深めた勇人さんは今年、一夫さんの了解を得て80アールにササニシキとコシヒカリを植えた。
 収穫した2・2トンの米は1キロ当たり500円で、友人や知人などの口コミを中心に、飲食店などにも売り込みを始めた。農協に卸すつもりはなく「売れ残れば田んぼに返すだけ」と決意を固めて取り組んでいる。
 売上高はまだ十分ではないが、手塩にかけた米は、香り高くかむほどに甘みがにじみだし、妻の桂子さん(42)は食卓を囲むと必ず「家のお米は本当においしいね」と、エールを送ってくれるという。問い合わせは石橋さん(080・1202・7568)へ。

草刈り:耕作放棄地解消で作業 雑草地を畑地に回復--旭・足川浜地区 /千葉

10月4日12時3分配信 毎日新聞

 耕作放棄地を解消しようと、旭市の足川浜地区で3日、草刈りが行われた。足川浜農用地管理組合=小嶋卓(たかし)組合長、20人=の農地再生計画が、農機具メーカー大手のクボタが主導する「クボタeプロジェクト」に選ばれたことに伴う取り組みの一環。
 組合によると、高齢化や兼業農家の増加で、地区内の畑約21ヘクタールの約5%が放棄地となり、背丈以上の雑草が生い茂る所もある。この日は組合員ら約100人が出席。クボタグループが持ち込んだ草刈り機や耕作機で草を刈り、地面を根こそぎ掘り起こすなどして約50アールの雑草地を見事な畑地に回復させた。
 この畑地では来春以降、名産のヤマトイモや菜の花、コスモスを育成する。同組合は、子ども育成会や老人クラブとの共同作業を通じ、地域一丸となって遊休農地や耕作放棄地の解消に取り組む計画だ。【新沼章】

ユリに包まれた街に 経塚自治会が球根植え付け

10月3日10時10分配信 琉球新報

 【浦添】浦添市の経塚自治会(比嘉清自治会長)が9月28日、区内の「うちょうもう広場」でユリの球根の植え付けを行った。県道に面した広場の斜面を一面ユリで飾り、街行く人を楽しませようという計画。比嘉自治会長らは「来年の開花が楽しみ」と心待ちにしている。
 今年5月、20―30年前に自治会や青年会が植えたというユリがまばらに咲いているのに気付いた住民の間で、再びユリを咲かせようという話が盛り上がった。それまでは雑草が伸びるため区民有志の毎月1回の除草でも追い付かず、ユリが目立たなかったという。浦添市が募集するまちづくりプラン賞で11万円余の助成を得て実現した。
 植え付け作業には自治会OB会などから10人が参加。台風15号の影響で、400個用意した球根のうち50個ほどしかできなかったが、斜面の雑草を除きながら、球根を一つ一つ丁寧に植えていった。残りは10月中に植え付ける。
 ユリを植えた斜面は県道153号に面している。琉球王朝時代には首里と本島中部を結ぶ主要道路「中頭方西街道」にも隣接、広場は経塚地区のシンボル的な場所でもある。比嘉自治会長は「道路からの眺めも良く、斜面の上に桜を植える予定もある。道行く人たちの目を楽しませたい」と話した。

就農留学:未経験者に研修費と住居費を補助、県が今年度から事業開始  /群馬

10月2日15時1分配信 毎日新聞

 ◇生活困らず夢に近づけた--会社員から転職、1期生の黒沢さん
 農業を始めたくても何をすればよいか分からない――。実家が農家でないなどの農業未経験者を対象に、県は今年度から「就農留学」事業を始めた。意欲はあるが農地も栽培ノウハウもないという人たちに、農家での研修費と住居費を補助する。県内外の脱サラ組や団塊の世代をターゲットにし、就農者を確保するのが狙い。1期生で会社員から転職した黒沢肇さん(45)の「留学」現場を訪ねた。【鈴木敦子】
 黒沢さんが働くのは、約13ヘクタールの農地で30種類の野菜を栽培する農業生産法人「あずま産直ねっと」(伊勢崎市、松村久子代表)。午前8時ごろに出社し、日中は植え付けや収穫、夕方以降は仕分けや出荷などを担当する。作業が長引けば夜10時ごろまでかかる。
 黒沢さんは千葉県出身。北海道大学大学院修士課程(畜産)を中退後、大手食品メーカーに就職し、加工食品の生産管理などに携わった。材料調達のため国内外の農場を見て回ったが、機械に適さない大きさの野菜は廃棄するなど無駄が多い消費者側の都合に疑問を抱き、40歳を機に退社。生産者の視点で農業を取り巻く環境を変えていきたいと考えていたところ、東京でPR活動をしていた県の事業が目にとまった。
 今年4月の事業開始を半年前倒しして、昨秋にあずま産直ネットへ。さっそくほうれん草のビニールハウス1棟を任され、水やりのタイミングや温湿度管理の難しさ、雑草や虫食いに悩んだ。慣れない作業に1カ月で体重が5キロ減ったという。
 給料も会社員時代の6~7割程度になったが、毎月5万円の研修費と最大3万円の家賃補助は県の負担で「生活に困ることはない」という。「年齢的にも体力的にも不安だらけだったが、農家になる夢に近づけて満足している。まだまだ手探りだが、消費者と一緒に考えながら農業ができる生産者になりたい」と意欲も旺盛だ。
 ◇若手新規就農者、年間144人--前年同期比13人減
 今年8月までの1年間に新たに農業に参入した若手の新規就農者数は144人で、前年同期より13人減ったことが県の調査で分かった。近年では04年の174人がピークで、県は農業未経験者にも積極的に就農支援を進めていく構えだ。
 県技術支援課によると、39歳以下の新規就農者のうち農家の子弟は前年同期比23人減の103人、農業生産法人などで働く雇用就農は同20人増の32人、個人の新規参入は同1人増の7人だった。農家の子弟が大幅に減っており、同課は「県外からの新規就農者をいかに群馬に引っ張ってくるかが勝負」という。
 県内農家は高齢化が進み、15年前は約5割だった60歳以上の就農者が現在は約7割。県は「あこがれだけでは長続きしない。真剣な人を後押ししたい」としている。【鈴木敦子】

台風15号 31カ所でがけ崩れ 県まとめ 最大346人自主避難

10月2日7時5分配信 西日本新聞

 1日未明に九州南部に最接近し、大雨をもたらした台風15号による県内の被害をまとめている県危機管理防災課によると、鹿児島市や南さつま市など6市町31カ所でがけ崩れが発生した。床下浸水した住家は3棟。臨時休校やイベントの中止も相次いだ。

 鹿児島市岡之原町で民家の裏山が崩れ風呂場に土砂が流入するなど、住宅の一部が損壊する被害は4市町で5棟に上り、鹿児島、日置両市では倉庫3棟が半壊。最大で275世帯346人が自主避難した。

 鹿児島市のかごしま県民交流センターで予定され、2000人の集客が見込まれていたシルバーフェアかごしま(県シルバー人材センター連合会主催)は中止になった。県内の小学校22校と特別支援学校1校が休校になった。

 林地や水路が壊れるなど、判明している被害総額は9600万円。イネが倒れたり作物が冠水したりする農作物の被害も出ており、被害額はさらに膨らむとみられる。

■裏山崩れ墓石倒れる 鹿児島市

 1日午前7時前、鹿児島市小野1丁目の「中迫共同墓地」の裏山のがけが高さ約10メートル、幅約20メートルにわたって崩れ、土砂が同墓地に流入して墓石が倒れるなどの被害が出ているのを墓参りに来た人が見つけた。けが人はなかった。同市などは、台風15号による大雨の影響とみている。

 同墓地の管理組合によると、129基ある墓のうち、約10基の墓石が倒れたり、土砂に埋まったりした。先祖の墓に土砂が流れ込んだ近くの主婦新田タヅ子さん(69)は「墓地は戦前からあるが、がけが崩れたのは初めて。土砂の量が多く、どう片付ければいいのか」と驚いていた。

農地漂流 草刈り年1回で耕作地 農水省、放棄と認めず

9月30日2時31分配信 毎日新聞

 さいたま市岩槻区で10年以上も耕作されていない37ヘクタールの農地が、農林水産省の統計「農業センサス」では耕作放棄地に含まれていないことが分かった。年1回草刈りをしていることが理由。農水省は耕作放棄地対策を検討するための実態調査を進めているが、そこでも岩槻のケースは耕作放棄地としない予定という。専門家は「センサスは耕作放棄地の実態を反映していない」と批判している。

 この農地は東京ドーム8個分の広さで、今月中旬、周辺の田んぼで稲刈りが進む中、濃い緑の雑草が生い茂っていた。登記簿などによると約35年前、地元の不動産業者が農家に売買代金を支払い、所有権移転を仮登記した。何度か転売され、現在は大手ゼネコンの鹿島(東京都港区)などが仮登記している。土地区画整理事業実施へ向けて設立された組合が毎秋、草刈りをしているが、ほとんど耕作していない。

 不動産業者に約30アールを売った男性(82)は、業者に「きれいに耕された土地だと、なかなか転用許可が下りないから」と荒れ地にしておくように言われたという。約35アールを売った男性(75)も「今この土地を売ると言われても、耕作する農家はいない」と話す。

 年1回の草刈りだけでは、草が生い茂って見通しが悪く、不法投棄やぼやが絶えない状態が続く。鹿島は「土地区画整理事業の可能性を模索し、できない場合は農地としての活用を含めて検討する予定」と説明する。

 一方、さいたま市農業委員会は「管理されている農地で、少し休ませている状態」と話し、耕作放棄地とは判断していないという。農水省も「所有者がおり、年に1回草刈りをしている場合は、将来農地として使える状態に保全管理ができていると言える。耕作放棄地には含めない」と釈明する。

 センサスによると、05年の耕作農地面積は344万6770ヘクタールで00年より28万7518ヘクタール減った。だが、05年の耕作放棄地(38万6000ヘクタール)は00年比4万3000ヘクタール増にとどまり、耕作面積の減少幅と大きく食い違う。

 センサスは農業の最も基本的な統計で、政策立案の基礎になっている。農地問題に詳しい小田切徳美・明治大教授は「センサスは、耕作放棄が進んで原野化した農地は耕作放棄地に含めないなど、耕作放棄地の実態を反映していない」と指摘する。【田村彰子】